ジャパニーズ エステティック デンティストリー 2016/2017
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A clinical case applied orthodontic approach to an esthetic zone with the moderate bone lossIntroduction 審美修復治療を成功に導くためには、治療前のゴール設定が重要視される。患者の病態はもとより、患者の希望、術者サイドの経験やスキル、学術的な裏づけのある手技であるか等をトータルに考え治療計画を立案する必要がある。 まずは症例の難易度を分類してみることが必要であろう(Fig 1)。すなわち咬合様式の変更や歯周疾患への罹患の有無、矯正治療やインプラント治療の必要性を精査することにより、おおよその症例の難易度が推察される。これらを把握することで諸問題の関連性を確認することができ、後に治療結果が長期に維持することに結びつくことであろう。もう少し簡単な言葉で表現するとすれば、中等度以上の歯周疾患の治療には良好な咬合のコントロールが必要になり、場合によっては矯正治療が推奨される場合もあり得る。また矯正治療により適切なポジションに配置された歯は、審美的要因や咬合の安定など修復治療が必要になった場合においても、よりミニマムな対応で最大限の結果を出すことが可能となってくる。このようにさまざまな分野の問題は複雑にリンクしており、それらの諸問題を解く能力が問われるだろう。 審美修復治療は決して表面的な美しさのみを求めるわけではない。Esthetic、Function、Biology、Structureを高いレベルで集約させる必要がある。本稿では、矯正治療を軸とし、歯周外科処置、修復処置を施した症例に対し、それらの有効性を考察する。審美的領域における中等度の骨吸収に対し矯正的アプローチを適応した症例松本邦夫松本歯科医院東京都世田谷区用賀4-4-8 第二福島ビル2FYamazaki’s Classication Type of PatientType Ⅰ ; Restorative PatientType Ⅱ ;    ⅰ) Orthodontics - Restorative Patient    ⅱ) Periodontics - Restorative PatientType Ⅲ ;    ⅰ) Implant - Restorative Patient   ⅱ) Periodontics - Orthodontics-   Complex Restorative PatientFig 1 症例の分類(参考文献1より引用・改変)。57THE JAPANESE JOURNAL OF ESTHETIC DENTISTRYISSUE 2016/2017

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