ジャパニーズ エステティック デンティストリー 2016/2017
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Minimally invasive implant prosthesis approaches [MIIPA] for multiple missing teeth situations in the esthetic zone: a case reportAbstract 多くの硬軟組織を喪失している前歯部多数歯欠損症例にインプラント治療を応用し審美的結果を導くためには、絶対的な硬軟組織の再建増大量と緻密な補綴治療が必要となる。中でも補綴治療のプロセスとしては、インプラント周囲組織への侵襲に配慮した補綴操作が求められる。 本稿では筆者らが臨床上応用しているMinimally Inva-sive Implant Prosthesis Approaches(MIIPA)のトップダウン・シークエンスについて詳細を記したい。Introduction 大きな組織欠損をともなう多数歯欠損部位では、仮に理想的な場所にインプラントが埋入できたとしてもピンクマテリアルなしに天然歯と見間違う補綴物と周囲組織を患者に提供することは困難を極める。 その理由としては、インプラントと天然歯では、BIO-LOGICAL WIDTH1‐3が異なることと、天然歯周囲組織は結合組織付着と歯根膜の豊富な脈管構造を有するが、インプラント周囲粘膜の血管網が主にインプラントサイトの骨膜からのみ由来すること4、5、すなわちインプラント周囲組織は血管網や血液供給量が乏しいことを理解しておく必要がある。さらに天然歯歯間乳頭の高さが隣接面骨頂からコンタクトポイント直下までおおよそ5mm6ほどなのに対して、インプラント‐インプラント間はおおよそ3.4mm7という平均値が存在する。すなわちその差を硬軟組織の増大によって補わなければ、天然歯と同等の歯間乳頭の回復は難しい。また結合組織付着のない組織構造より、頻繁な補綴操作の組織侵襲によってその組織は失われる傾向も強いため、そのことに配慮した補綴処置が求められる。審美領域多数歯欠損のための低侵襲なインプラント補綴処置:症例報告鈴木健造健造デンタルクリニック東京都目黒区鷹番3-19-15 ソフィーナ学芸大学1F69THE JAPANESE JOURNAL OF ESTHETIC DENTISTRYISSUE 2016/2017

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