エビデンスに基づいた ペリオドンタルプラスティックサージェリー
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132ペリオドンタルプラスティックサージェリーの臨床テクニック5章イラストで見る根面被覆術Illustrated Root CoverageTECHNICALILLUSTRATION5章 4-2参考文献1.Giovanni Zucchelli. 減張切開をともなう歯肉弁歯冠側移動術. 台形弁. In: Giovanni Zucchelli(著). 沼部幸博(監訳). 鈴木真名. 瀧野裕行. 中田光一郎(訳). イラストで見る 天然歯のための審美形成外科.東京:クインテッセンス出版, 2014:258-294. 1. Zucchelliの台形弁テクニック  (上皮下結合組織移植を併用した歯肉弁歯冠側移動術) 単独歯における根面被覆術において、上皮下結合組織移植を併用した歯肉弁歯冠側移動術は、高い根面被覆率を得ることができる。フラップを歯冠側移動させるための術式としてZucchelliは、縦切開を用いたオープンテクニックを推奨している。フラップデザインは台形弁と三角弁があり、瘢痕が少なく審美性に優れるのは三角弁であるが、台形弁と比べてテクニックセンシティブである。よって本項では、術式がシンプルで適応範囲が広い台形弁テクニックを紹介する。図5-4-2-1 プローブで歯肉退縮している高さを計測する。図5-4-2-2 プローブで歯肉退縮している幅を計測する。根面被覆の難易度は歯肉退縮している高さより幅に依存する。図5-4-2-3 まず垂直的な退縮量+1mmの距離を近遠心の乳頭頂から根尖方向に計測し、同部にそれぞれ3mmの水平切開のためのマーキングを行う。次に、近遠心に歯肉歯槽粘膜境(muco-gingival junction:MGJ)を越える縦の切開線(垂直減張切開)を設定する。この台形フラップの断端は術後、新しい歯間乳頭となるため外科的歯間乳頭と呼ばれる。

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