ITI Treatment Guide vol.9
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インプラントによる支持領域の拡大Implant Therapy in the Geriatric Patient111フルクラムラインⅡ フルクラムラインⅠ負荷のアームⅡ負荷のアームⅠ梃子のアームⅠ梃子のアームⅡ図13a 上顎右側第一小臼歯部のインプラントは、審美的に不良でかつ維持力が弱い上顎右側側切歯のクラスプの代わりとなる。インプラントを側切歯に近接させず第一小臼歯部に埋入し、支持を担う多角形を拡大しフルクラムライン(Ⅱ)を遠心に移動させることで、遊離端部の力のアームは短くなり、梃子アーム(Ⅱ)を介して上顎右側側切歯のレストシートは間接維持を発揮する。この設計は力のアームと梃子のアームは同じ長さであることが望ましいという基本原則をより忠実に守っている。フルクラムラインⅡフルクラムラインⅠ図14 下顎において、インプラントをオトガイ孔よりも前方にしか埋入できない場合には、少なくとも小臼歯1歯分遠心にインプラントを埋入して支持領域を拡大し、梃子のアームを長くして間接維持を得る考え方は適用できない。このため支持を担う多角形と梃子のアームはともに非常に小さくなる。この場合、RDPにフルクラムラインは残るものの、やや遠心に移るため義歯の動きについてはより有利になる。図15a~c 下顎左側第一小臼歯、右側第一小臼歯部のインプラントが支持を受け持つ一方、両側の犬歯に設定したレストシートは間接維持を提供する。図13b 同じ状況でインプラントを2本埋入することも可能であり、その場合にはフルクラムラインはなくなり、このKennedy分類Ⅱ級はⅤ級に改変される。abc

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