YEARBOOK 2017 最新エンドのグローバルスタンダード
1/6

必ず知っておきたい本邦のエンド治療の潮流 歯内療法の成功には徹底的な「感染源の除去」と「再感染の防止」が目標となるが,その達成のためのストラテジーに顕著な変革の潮流が生じたのは90年代中期であった.すなわち,ニッケルチタン合金製ロータリーファイル(以下,Ni-Ti製ファイルと略)の開発,手術用実体顕微鏡の応用,mineral trioxide aggregate(以下,MTAと略)の開発,コーンビームCT(以下,CBCTと略)の応用などが相ついでなされ,歯内療法のグローバルスタンダードは大きく変貌を CTを用いた画像検査では,被写体周囲の構造の重なり(解剖学的ノイズ)の影響を排除しつつ被写体やその周囲構造との立体的位置関係を任意の方向から観察できるため,歯内療法における診断や治療方針の決定に有用な多くの情報を得ることができる.CBCTは,医科用CT装置と比較して軟組織の描出遂げて今日に至っている. 一方,筆者が本稿と同一のテーマでYEARBOOK 2013に執筆の機会を得て以来およそ4年が経過した.このわずかな期間においても,歯内療法は劇的とはいえないまでも着実に進化を遂げている.そこで,本稿では,前稿1と重なる部分もあるが,歯内療法における現在のグローバルスタンダードについて,わが国の現状もふまえながら改めてみつめてみたい.能は低いものの,小照射野とすることで高解像度のエックス線投影像を短時間に低被曝線量で得られるという利点を有しており,歯内療法への適用が拡大している2. デンタルエックス線検査と比較したCBCTの優位性については,根尖病変の検出率が有意に高いこ1はじめに1 CBCTによる術前診断歯内療法のグローバルスタンダード2017Global Standard in Endodontic Treatment 2017興地隆史/金子友厚 Takashi Okiji / Tomoatsu Kaneko東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯髄生物学分野連絡先:〒113‐8510 東京都文京区湯島1‐5‐4510別冊the Quintessence 「YEARBOOK 2017」PART1

元のページ 

page 1

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です