天然歯審美修復のセオリー図解Q&A
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95図1 約4年経過症例。₃₃がラミネートベニア。それ以外はすべてオールセラミッククラウンにて補綴されている。経年的な経過で、写真上でも歯周組織との調和が維持されている。図2 プロビジョナルレストレーションの適合を調整し、歯肉をサポートした形態に整える。この段階で、SRP、ブラッシング指導、咬合の評価を行い、歯肉の炎症の消失と歯頸ラインを確認する。もしマージンの露出が認められれば、そこからさらに縁下に形成し直し、プロビジョナルレストレーションを調整する。1234図3、4 これらをクリアにして、歯肉の2重圧排、精密印象時にも出血のない状態をめざす。図5 最終補綴物装着後。マイクロスコープを用いて、3Aの探針で歯肉を排除してみたが、マージンの適合状態が良好であるのがわかる。図6 ₁₂青色→部の圧排してない箇所に注目。プロビジョナルレストレーションにて初期治療を行ったところ、歯肉が引き締まりフィニッシュラインが縁上となったため、再調整を行うこととした。図7 歯肉は圧排糸を巻くとわずかに根尖側に移動する。この際に圧排糸は付着を破壊しないように、探針の腹の部分を用いて優しくかつマージンよりも浮き上がらないように歯肉縁下まで挿入する。歯肉圧排の時間が長くなればなるほど歯肉退縮のリスクは高まるため、圧排糸は必ず口蓋側から巻いていき、唇側の圧排時間を少しでも短くする。図8 ₁ピンク色→部のみ調整。圧排糸で歯肉を根尖側に移動し、歯肉や圧排糸を傷つけない範囲で、歯肉縁下に形成し直した。₂の縁上マージン青色→部と比較してすると₁が縁下に調整されていることがわかる。この際に、コンタクト部とゼニス部では高低差を付けることが重要。きれば内冠の試適時に再度写真を撮影して確認されることを推奨します。 歯肉が薄い症例では、最終印象の際に使用した圧排糸が原因で、さらに歯肉退縮が生じる場合があります。で歯肉が薄い症例に注意Point4襲しない位置で歯肉縁下0.5~1mm、つまり歯肉溝内の挿入した圧排コードを目安に形成しています。圧排コードの巻き方の注意事項も提示します(図6〜8)。 プロビジョナルレストレーションによる再評価が重要であることは理解できたかと思いますが、調整の際の形成目標が必要です。筆者は、歯周治療終了後の付着を侵調整は、圧排コードを目安にPoint3

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