天然歯審美修復のセオリー図解Q&A
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134 AnswerQuestionキーワード:5.クラウン・ブリッジ修復編 6)ブリッジポンティック形態、オベイトポンティック043ブリッジのポンティック形態については、1964年のSteinによるsanitary contoured pontic, saddle pontic, sanitary ponticの分類以来、さまざまな要件に基づき、あらゆる形態が使い分けられてきました。現在では、条件さえ満たしていれば、1981年にGarberらによって紹介されたオベイトポンティック(図1)が、生理的、機能的、審美的にも有利であると考えられています。質問のケースでは、まずオベイトポンティックを第一選択として治療計画を立てるべきでしょう。相談者:M. K.さん35歳、開業2年目前歯部欠損に対してブリッジで対応する予定の患者がいます。本人は、欠損部位(ポンティック)をできるだけ自然にみせたいという強い希望をもっています。どのようなポンティックにすればよいでしょうか?ポンティック形態の種類について(オベイトポンティックの有効性)オベイトポンティックを理解するPoint1 “ovate”とは卵形を意味します。オベイトポンティックは基底面がすべて凸面からなり、欠損部歯槽堤粘膜に適正な圧をもって密着する形態をとります。それにより“あたかもそこに歯が存在するかのような”自然な状態を再現することができ、もっとも審美的に欠損部歯槽堤を再構築できるポンティック形態といえるでしょう。また、発音、嚥下等の機能面や清掃性の側面からみても理想的なポンティック形態です(図2)。 オベイトポンティックの基底面を形づくる方法は、以下の2つが代表的です。●ダイヤモンドバーにより欠損部歯槽堤をオベイト状にトリミングする方法(図4)●模型上で歯槽堤部をオベイト状に形成し(図5)、その形態に合わせたプロビジョナルレストレーションによって歯肉の形態を変化させる方法いずれにしても最終的にはプロビジョナルレストレーションによって粘膜の安定をはかることが重要になります。 第一段階として、当該の歯槽堤がオベイトポンティックに適しているか否かを判断する必要があります(044参照)。欠損部歯槽堤がオベイトポンティックの条件を満たしているようであれば、図3のように欠損部歯槽堤粘膜頂から歯槽骨頂までの距離を把握します。それにより歯肉を形成できる量、圧を与えられる程度を判断します。最終的な粘膜の厚みは、生理的な恒常性を維持するうえでも1mm以上は必要となりますので、それらを考慮した計画を立てます。オベイトポンティックの前準備Point2西山英史 回答者 

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