リクッチのエンドドントロジー
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333根管治療の失敗の原因 Chapter  9FIG 9-11 レッジの問題点.(a)₅の歯内療法終了時のエックス線写真.感染した歯髄壊死に起因する慢性根尖性歯周炎と診断.根管は1週間の水酸化カルシウム貼薬後に根管充填された.歯は複雑な補綴修復の支台として使用された.(b)5年後の経過観察時に撮影されたエックス線写真では,エックス線透過像に変化はなかったが,症状もなかった.(c)歯根端切除術が実施された.歯根周囲の病変組織は根管先端に付着しておらず,別々に除去された.根管および主根尖孔を通過した切片では,根尖部において器具が根管の走行に沿っておらず,象牙質にレッジが生じ,根管がデブリスや細菌で占められたままとなっていた(テイラーの改良型ブラウン-ブレン染色法,×16).(d)根管および根尖孔の末端の詳細.後者には細菌が高密度で存在していた(×100).(e)根尖孔の強拡大像(×400).集積した多形核白血球に面した細菌性バイオフィルム.(f)写真(c)(d)の根管終末部にみられる細長い構造の強拡大像(×1000).おそらく食物残渣である.考 察:前回の症例と同様,器具操作の際の技術的ミスによって最深根尖部の適切な洗浄,形成,消毒が妨げられ,結果的に疾患持続の原因となったデブリスや細菌を放置することになった.5 yrabcdef

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