口の中がわかる ビジュアル歯科口腔科学読本
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歯の疾患歯のう蝕症(う蝕/進行度・症状/好発部位)1進行度・症状好発部位●進行度による分類(C0,C1,C2,C3,C4)が用いられており,症状ともよく一致する.●食物残渣,プラークが長期に溜まりやすい(汚れが除去しにくい),小窩,裂溝(咬合面の溝),隣接面(歯と歯の間),歯頸部(歯と歯肉の境目)に好発する.●隣接面う蝕は視診などでは発見できないこともあり,X線検査で初めて見つかることも多い.72―73う蝕の拡がり:エナメル質では▼型に深部に進行するが,エナメル質と象牙質の境を越えると横に拡がりやすくなる.奥でむし歯が大きいといわれるのは,このためである.ちしき豆歯において痛みを感じるところは象牙質(最表層のエナメル質は知覚がない).象牙質は硬組織にもかかわらず,象牙細管という中空構造があり,そこから歯髄の神経が刺激され痛みが生じる.したがって,C1(エナメル質う蝕)では痛みなどの自覚症状はない.C2(う蝕が象牙質に及ぶ)になると,冷水痛などの痛みを感じるようになる. 甘いものがしみるのは,象牙質の外の浸透圧が高張となり,象牙細管内の組織液が外側に引っ張られるためであると考えられている(「動水力学説」).う蝕のはじまりC0C1C2C3C4歯質の白斑,不透明感無症状エナメル質内のう蝕ほとんど無症状象牙質に達したう蝕知覚過敏,冷水痛,(痛み)歯髄に達したう蝕冷水痛,自発痛歯冠部が崩壊したう蝕自発痛,痛みがないこともしみる歯髄神経象牙質象牙細管刺激歯肉エナメル質歯と歯肉の境目咬合面の溝歯と歯のあいだ

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