SAFE Trublesshooting Guide Volume2 患者由来性合併症編
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1-2 2型糖尿病患者に生じたインプラント早期喪失症例問題提起 糖尿病はコントロールされているが、重度歯周炎の既往がある。プラークコントロール不良な患者に、術前にHbA1cを良好にコントロールした後にイントラブルの対処 内科医と連携しHbA1cを指標に術前に良好なコントロールを行い再埋入手術を行った。初診時HbA1cは6.9%であったが、手術前には6.2%までコントロールした。 また下顎残存歯に対してはTBI、SRP等の歯周基本治療を行ったが、残念ながらプラークコントロールは良好とはいえなかった。2対処および解決方法(メソッド・シューティング)表1 血液検査値。プラント埋入手術を行ったが1本のインプラントが脱落した。同部の骨質および初期固定は不良であった。トラブルの解決方法 インプラント脱落部の骨再生が不良であったため、画像診断で骨質と骨量が良好な別部位にインプラント体を埋入し、十分な初期固定を得て手術を終えた。再手術前には残存歯のPCR(Plaque Contorol Re-cord:プラークコントロールレコード)を20%以下にした。 現在では、術前にPCRが10%以下になるよう、患者指導を徹底している。図6 再埋入4ヵ月経過時。治癒は良好であり、オッセオインテグレーションが獲得され、マグネットアタッチメントが装着された。図7 治療終了時パノラマX線写真。上顎は骨量、骨質が不良であり、埋入位置が制約されたため単独埋入とした。下顎はすべてのインプラントで、トラブルなくオッセオインテグレーションが獲得できた。3対処結果(リザルト)2009〜10年5/15初診8/79/18一次手術10/9脱落10/3011/25再埋入1/2910/22リコール時HbA1c(%)6.96.66.56.66.9血糖値(mg/dl)10922018210813035SAFE(Sharing All Failed Experiences) Troubleshooting Guide Volume2 患者由来性合併症編

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