生体にやさしい戦略的矯正歯科治療歯科矯正用アンカースクリューの応用
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27生体にやさしい戦略的矯正臨床SECTION1 生体にやさしい戦略的矯正歯科臨床 この症例では、図1-26eのように最初はロングスパン.012にAEL NiTi を入れて臼歯アップライトを行った。₃から₇の間に2~3mm長くなるようにストッパーを設置し、₃から₆までレースバックした。途中ショートスパン.012 AEL NiTiに切り替えた(図1-26b、f)。4ヵAEL NiTiのアクチベーション量を簡単に把握しながら、ストッパーを設置できる方法はありませんか?Q 叢生が顕著な場合、結紮によってアーチレングスが変わるために、正確にアクチベーション量を決定するのが難しい。ストッパーを使用したAEL NiTiで利用できる方法がある。ワイヤーが入っている片側の最後方歯(ストッパーが近心に位置する歯:第一大臼歯または第二大臼歯)は意図的にワイヤーをチューブ外に位置させ、すべての歯に結紮する。意図的にチューブの外側に外したワイヤーの先からストッパーを入れる(図1-27a)。2~3mmアクチベーションできるように、ストッパーを強くかしめて固定する(図1-27b)。使用するワイヤーが.010か.012程度の細いNiTiワイヤーで柔軟性があり、狭い空間でも曲げてチューブに挿入することができる(図1-27c)。AAEL NiTiの設置方法のQ&A月後、臼歯アップライトがほぼ完了した。この方法の長所は、力が多くの歯に分散することにより、生体親和性がありレベリングと遠心移動の力を同時に与えることができるので、歯の移動が速いということである。図1-27a~c .010、 .012 AEL NiTi は柔軟であり、第一大臼歯のコンバーチブルチューブのキャップを外さなくても後からストッパーを入れて2~3mmアクチベーションすることができる。abc

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