ベーシックプレスセラミックス
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30Part 1 製作理論編 ワックスパターンをインベストメントリングベースのどのポジションに植立し、また埋没材中のどのエリアに配置すればもっとも適合が良いのかを図4-3の10パターンにより検証した。試験片となる筒状のワックスパターンはCADソフトで製作し、その植立位置と 実験の結果、目に見えるほどの大きな変化は見いだせなかったが、細かく分析していくと(図4-4~9)、スプルーガイド外周に植立したもののほうがもっとも適合状態が優れていた。適合以外では、スプルーの長さによって適合状態にはそれほど大きな差は見られなかったものの、長いスプルーでは試験片にクラックの存在が見られた(図4-9)。これは冷却過程において金属鋳造の押し湯に相当するインゴットの残りの部分とプレス体との間で温度差が生じ、熱を伝えたスプルー直下にクラックが生じたものと考えられる。 また、リングファーネスの設定温度を750℃とリングファーネス温度を変えてプレスし、それらの適合状態を計測した。なお、埋没材、プレスインゴット、その他関連システムは、Ivoclar VivadentのIPS e.max Pressシステムを用いた。900℃にし、プレスリング自体の熱膨張にどのように影響をおよぼすか検証してみたが、プレスに至るまでの加熱段階でそれぞれの温度が一定となると考えられ、適合に関しては相互に大きな違いは見られなかった。ただし、単純形態での実験であるため、臨床における複雑な形態の場合は750℃のリングファーネスの設定では「なめられ」などのプレス欠陥が生じないとは言えない。 結論としては、実験に用いたIvoclar VivadentのIPS e.max Pressシステムにおいては、中心部よりスプルーガイドの外周に向けたポジションで適切な適3実験 ワックスパターンのポジションによる適合への影響は?12345678910図4-3 ワックスパターンのポジション、リングファーネス温度の違いによって適合にどのような影響を及ぼすのかを確認した。

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