粘着歯学のための重要13キーワード ベスト240論文
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講演や雑誌でよく見る、あの分類および文献14スミヤー層(スメア層)/レジンタグ/樹脂含浸層出典 1. ‌Van Meerbeek B, Van Landuyt K, De Munck J, Hashimoto M, Peumans M, Lambrechts P, Yoshi-da Y, Inoue S, Suzuki K. Technique-sensitivity of contemporary adhesives. Dent Mater J 2005;24(1):1-13.2. ‌Mine A, De Munck J, Cardoso MV, Van Landuyt KL, Poitevin A, Van Ende A, Matsumoto M, Yo-shida Y, Kuboki T, Yatani H, Van Meerbeek B. Dentin-smear remains at self-etch adhesive inter-face. Dent Mater 2014;30(10):1147-1153.3. ‌Mine A, De Munck J, Vivan Cardoso M, Van Landuyt KL, Poitevin A, Kuboki T, Yoshida Y, Suzuki K, Van Meerbeek B. Enamel-smear compromises bonding by mild self-etch adhesives. J Dent Res 2010;89(12):1505-1509.出典1においてアドヒーシブ-象牙質界面は以下のように解説されている。BasicsMine ら2は、(ウルトラ)マイルドタイプのセルフエッチアドヒーシブ(クリアフィルトライエスボンド,クラレノリタケデンタル、pH 2.7)と3種の象牙質(バー切削面:厚いスミヤー層、600番耐水ペーパ研磨面:薄い均質なスミヤー層、破断面:スミヤー層なし)との界面を透過電子顕微鏡で観察した。その結果、バー切削面においても研磨面においてもスミヤー層は残存していたが、その中にアドヒーシブが浸潤していた。この部位はレジン・スミヤー複合体となり、ハイドロキシアパタイトは大量に認められた。アドヒーシブ‐破断面界面においてはレジン・スミヤー複合体は存在せず、レジンの浸透は100 nmにとどまっていた。セルフエッチアドヒーシブと象牙質界面の模式図 (左のバーは5µm〔1µm×5〕)〔出典1より引用改変して作成〕。象牙質表面管間象牙質象牙細管管周象牙質側支スミヤー接着処理前の象牙質はスミヤー層で覆われている。マイルドpH ± 2レジン浸透スミヤーアパタイトアドヒーシブレジンレジンタグアドヒーシブレジンややストロングpH ± 1.5アパタイトコラーゲンストロングpH < 1コラーゲンマイルドなセルフエッチアドヒーシブではスミヤー層を完全には除しない。比較的薄いミクロンレベル未満の樹脂含浸層が形成され、レジンタグはない。中間的な酸性度のセルフエッチアドヒーシブはスミヤー層を取り除き、その下の象牙質を少量脱灰する。短いレジンタグ(約10µm)が形成され、象牙細管の側枝にも部分的にレジンが侵入する。樹脂含浸層の底部1/3ではハイドロキシアパタイトが残っている。酸性度の高いセルフエッチアドヒーシブの場合はエッチ&リンスアドヒーシブと同様、樹脂含浸層が3~5µmになる。象牙細管は漏斗状に開きレジンタグが形成されており、レジンの侵入は広範囲に広がり、細管壁部や側枝もレジンが認められる。156

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