開業医のための口腔外科 重要12キーワードベスト240論文
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PAGE146PAGE149PAGE151PAGE154PAGE158PAGE148PAGE155PAGE150PAGE152PAGE157PAGE156講演や雑誌でよく見る、あの分類および文献13Urbanのソーセージテクニック出典  小田師巳.Urbanらのソーセージテクニック.In :岩田健男,山﨑長郎,和泉雄一[主席編集].PRD YEAR BOOK 2017.東京:クインテッセンス出版,2017:160-170.    Urban IA. Vertical and Horizontal Ridge Augmentation. London : Quintessence Publishing, 2017.Bone regeneration 著者らは、水平性骨欠損を有する患者に対し、効率的に歯槽堤辺縁部の骨を増生させる方法を報告している。本方法は、自家骨と無機ウシ由来骨ミネラル(以下ABBM)を混ぜ合わせた移植材料を、吸収性メンブレンとチタンピンで固定する術式である。このテクニックの特徴は、メンブレンの固定方法と骨填入方法にある。根尖側よりメンブレンを固定し、移植材料を填入後、最後に歯槽頂部または舌側にピンで固定する方法(根尖側パウチテクニック)では、骨が根尖側寄りに増生され、インプラント埋入時にさらに歯槽堤を増生させるためにカントゥアーオーギュメンテーションを行わなければならない症例があるとし、後述するような方法で水平的に骨増生を行っている。術式名の由来のとおりソーセージのようにメンブレンの内部に補填材料をはち切れんばかりに詰め込みチタンピンで留めることなどが、本術式を成功に導くポイントとされる。下顎臼歯部の水平的骨吸収に対するソーセージテクニックを以下に示す。本術式で推奨されているピン。一般的なものより太く、斜めからも強固に固定可能である(写真は小田師巳氏のご厚意による)。メンブレンを固定する順番:歯槽頂および舌側から固定し、移植材料填入後に5の部分に1~2個のピンで固定する。1223455146講演や雑誌でよく見る、あの分類およ解説者コメント:注射用抗菌薬については今回割愛する。抗菌薬の適正使用を心掛け、やみくもに広ペクトルの薬を使用することは避けるべきである。また、頚部腫脹、開口障害、および嚥下時痛は隙症が波及しているサインである。3日間の再評価期間を待たずして、専門医療機関に紹介することも必要である。詳細はガイドラインを参照されたい。歯性感染症治療の推奨抗菌薬出典  金子明寛,青木隆幸,池田文昭,川辺良一,佐藤田鶴子,津村直幹.JAID/JSC感染症治療ガイドライン2性感染症-.日本化学療法学会雑誌 2016;64:641-646.Infection17・「歯性感染症の臨床分類」 歯性感染症は、以下の1群から4 群に分類される。 1群〔歯周組織炎〕、2群〔歯冠周囲炎〕、3群〔顎炎〕、4群〔顎骨周囲の蜂巣炎〕・「推奨グレード」 A:強く推奨する、B:一般的な推奨、C:主治医による総合的判断 「文献エビデンスレベル」 Ⅰ:ランダム化比較試験、Ⅱ:非ランダム化比較試験、Ⅲ:症例報告、Ⅳ:専門家の意見・「推奨される抗菌薬治療」 歯性感染症に対する抗菌薬効果判定の目安は3日とし、増悪の際は、外科的消炎処置の追加、他剤への変更を考慮す 1.第一選択経口薬  ①1群または2群(軽症から中等症)   膿瘍を形成している症例では切開などの消炎処置を行い、  ・ AMPC(amoxicillin)1回250mg を1日3~4回服用(小児:1回10~15mg/kg・1日3回)〔A Ⅳ〕ペニシリンアレがある場合は、  ・CLDM(clindamycin)1回150mgを6時間毎に服用〔B Ⅰ〕  ・AZM1回500mg を1日1回3日間 服用(小児は歯科適応なし)〔B Ⅰ〕  ・AZM1回2gを1日1回(小児は歯科適応なし)  ・CAM(clarithromycin)1回200mgを1日2回服用(小児:1回7.5mg/kg・1日2回*)〔B Ⅱ〕   * 社会保険診療報酬支払基金審査情報では原則として、「クラリスロマイシン(小児用)」を「歯周組織炎,顎炎」に処場合、当該使用事例を審査上認める。  ②3群または4群(重症) 顎骨周囲の蜂巣炎、頸部膿瘍などの重症歯性感染症では、β- ラクタマーゼ産生嫌気性菌に注意が必要である。など症状の増悪が予想される症例では、  ・SBTPC(sultamicillin)* 1回375mg を1日2~3 回 服用(小児は歯科適応なし)〔C〕   * 社会保険診療報酬支払基金審査情報では原則としてSBTPC を手術創などの二次感染、顎炎、顎骨周囲の蜂巣方した場合、当該使用事例を審査上認める。  ・CVA/AMPC(clavulanic acid/amoxicillin)1回250mg を1 日4回 服用(小児は歯科適応なし)〔C〕 ・AMPC1回500mg 1日3回 服用(小児:1 回15mg/kg・1 日3回)〔C〕 ペニシリンアレルギーのある場合は、 ・CLDM1回150mg を6時間毎に服用〔C Ⅰ〕 ・CCL(cefaclor)1回250mgを1日3回服用(小児:1回15mg/kg・1日3回)〔B〕 ペニシリンアレルギー患児の約15%がセフェム系薬にもアレルギーを有するので注意が必要 ・STFX(sitafloxacin)1回100mg を1 日2回服用(小児は歯科適応なし)〔C Ⅲ〕 2.第二選択経口薬   炎症の進行期でペニシリン系薬およびセフェム系薬の効果が認められない時はβ- ラクタマーゼ産生菌種を考慮し、  ・STFX 1回100mg を1日2回服用(小児は適応なし)〔C Ⅲ〕  ・FRPM(faropenem)1回150~200mg を1日3回 服用(小児:1回5mg/kg・1日3回)〔C〕97.95%90.24%大臼歯90.24%97.95%94.60%90.37%小臼歯90.37%94.60%94.52%92.41%前歯92.41%94.52%CRSCRSEMSEMS100.00%95.00%90.00%85.00%80.00%**P<0.05Urbanのソーセージテクニックドライマウスの分類と診断上顎洞と上顎臼歯根尖との距離上顎洞造成術に関連した上顎骨内の血管走行に関する分類歯性感染症治療の推奨抗菌薬月星の自家歯牙移植の分類  臼歯部舌側の骨外穿孔のリスクファクターに関する分類結合組織採取時の動脈損傷:大口蓋動脈の走行パターン1314151617181920212223従来の外科的歯内療法とエンドドンティックマイクロサージェリーとの比較外科的歯内療法における歯種別での手術用マイクロスコープ使用・不使用による成功率の比較下顎前歯部インプラント手術における動脈損傷:舌側表面への動脈分布パターン3 mm2nd premolar1st molarInitial cut of oral mucosaGraftheight5mm

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