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講演や雑誌でよく見る、あの分類および文献解説者コメント:埋伏歯の分類にはPell-Gregory分類およびWinter分類がある。Pell-Gregory分類は、下顎埋伏智歯の水平的・垂直的位置を下顎骨、第二大臼歯を基準に規定した分類で、Winter分類は第二大臼歯に対する歯軸の状態により規定した分類である。Pell-Gregory分類ではClassとPositionが上がるほど抜歯の難易度は高くなり、抜歯困難が予想される際には専門医療機関への診療依頼を考慮するべきである。下顎智歯の抜歯においては術後の併発症が生じる頻度が高く、智歯の埋伏状態を正しく把握し、安全に的確な手術を行う為に術前に万全の準備が必要になる。近年普及しつつあるコーンビームCTはパノラマX線写真と併用することで、術前評価としての有用性が高いものと考えられる。1下顎埋伏智歯の埋伏状態によるPell-GregoryとWinterの分類出典 Pell GJ, Gregory BT. Impacted mandibular third molars: classication and modied technique for removal. The Dental Digest 1933; 39(9): 330-338.Winter GB. Principles of exodontia as applied to the impacted mandibular third molars. St Louis: American Medical Book, 1926:212–279.Third molars & Impacted teeth C.第二大臼歯の歯軸に対する埋伏智歯の歯軸の方向1. 垂直、2. 近心傾斜、3. 水平、4. 遠心傾斜、5. 頬側傾斜、6. 舌側傾斜垂直近心傾斜水平遠心傾斜頬側傾斜舌側傾斜A. 第二大臼歯と下顎枝前縁とのスペースによる水平的位置図1 Class I:第二大臼歯遠心面から下顎枝前縁までの距離が、埋伏智歯歯冠近遠心幅径より大きい。図2 Class II:第二大臼歯遠心面から下顎枝前縁までの距離が、埋伏智歯歯冠近遠心幅径より小さい。図3 Class III:埋伏智歯の大部分が下顎枝に含まれる。B. 第二大臼歯の咬合面に対する埋伏智歯の垂直的位置図4 Position A:埋伏智歯の最上点が第二大臼歯の咬合面と同じ、または上方に位置する。図5 Position B:埋伏智歯の最上点が第二大臼歯の咬合面より下方で、第二大臼歯の歯頸部より上方に位置する。図6 Position C:埋伏智歯の最上点が第二大臼歯の歯頸部より下方に位置する。 図1図2図3図4図5図6Winter分類Pell-Gregory分類132

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