臨床にあった歯科用レーザー活用法
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これができる! 細かな歯頸ラインの形態が求められる審美修復治療において,豊富なチップ形状により繊細な切除が可能であるEr:YAGレーザーを用いたgingivectomyは予知性がきわめて高い.また冷却機能の存在は,熱的影響を受けやすいインプラント体審美治療からインプラント治療まで幅広く使えるEr:YAGレーザーgingivectomy後に狙いどおりの歯頸ラインが獲得可能1 Er:YAGレーザーを用いたgingivectomy.レーザー光照射部のみ切除されるため,電気メス使用時の「切り過ぎ」のリスクが少なく,他のレーザー光のような炭化層を残さない切除面は上皮化が速やかである.reportされるのはこちら髙橋 聡福岡県開業たかはし歯科クリニック連絡先:〒822-0033 福岡県直方市大字上新入2035-2user's report●選択の理由 選択基準として,①器具の到達が困難な部位へのアクセシビリティに優れる点,②他のレーザー光と比較して創傷治癒に優れる点,③無痛的外科処置が可能である点を挙げたい.処置頻度の高いう蝕処置や歯周処置に対して加算点数が設けられていることは診療報酬上のメリットであるが,有病高齢者率が高い現代において浸潤麻酔を使用することなく無痛的外科処置が施行できることは,術者・患者双方にとって大きな恩恵である.●購入をお勧めする理由 当院で「アーウィン アドベール」を使用開始して約11年が経過するが,口腔内膿瘍の切開・排膿処置に浸潤麻酔を使用した症例数はわずかである.まったくの無痛処置ではないため,患者協力を必要とするが,酸性に傾いた組織への浸潤麻酔の奏功に苦慮することなく,切開による感染巣の減圧と精製水による無菌的膿瘍腔洗浄が同時に行えることは,口腔外科出身の筆者にとっても画期的な外科治療機器である.●導入後の使い勝手 購入した当時には「インプラント周囲炎」という病態は現在ほど認識されておらず,その治療に本レーザー光を使用することは想定していなかった.しかし,インプラント周囲炎の治療にEr:YAGレーザーが有効であるとする論文が繰り返しアップデートされている近年では,インプラント周囲炎の治療にも欠かせない治療機器として活用の場が広がってきている.「アーウィン アドベール」ケースの全貌はこちら…1PART2 歯科用レーザー 各製品のそこが知りたいモリタ25

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