ジャパニーズ エステティックデンティストリー2018
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Direct restoration with layering techniques adapting to the aging stages of the natural teethIntroduction Direct Restorationは世界中で行われている修復治療の一手法であるが、近年ではより審美的かつ自然な仕上がりになるようComposite Resin(以下CR)の色調や光透過性、光の屈折率、蛍光性などが天然歯に近似するよう開発が進んでいる。象牙質やエナメル質の色調特性に合ったCRをレイヤリングすることによって天然歯に近似した結果になるはずであるが、各部位の形態や厚みのバランス、何層に分けてレイヤリングするべきなのかの基準が曖昧であり、また前歯・臼歯天然歯におけるAging変化多種多様なレイヤリングテクニックが各紙面で数多く紹介されているため混乱を招いているのが実際である。そこで今回、歯牙の部位によりどのような特徴があるのか、そしてAgingによってどのように変化するのかを考察し、各Ag-ing Stageに合わせたレイヤリングをするためにどのようなCRを選択し、何を指標にするべきかをケースを紹介しながら解説したいと思う。 歯牙の構造はエナメル質と象牙質・歯髄から構成されている。その構造や色調は生涯において動的であり、それぞれのAgingにおける動的変化を把握することは天然歯を模倣しAging Stageに合った最適な審美的結果を得るために非常に重要である。象牙質のAging変化■第二象牙質の添加による歯髄の減少により厚みを増加させる■管周象牙質の肥厚により象牙細管が狭窄する■刺激などで象牙細管内に無機構造物が沈着し、透明象牙質・硬化象牙質の増加にともない不透明性(Opacity)が減少する1■咬耗や磨耗による象牙細管内へのミネラルや色素の吸収・沈着により彩度(Chroma)が上昇するエナメル質のAging変化■咬耗や摩耗などにより表面は平滑化し厚みを減少させる■唾液や食物などからミネラルを吸収し、半透明性(Translucency)を増加させる2■飲食物から色素が吸収・沈着し彩度(Chroma)が上昇するFig 1 象牙質のAging変化。Fig 2 エナメル質のAging変化。75THE JAPANESE JOURNAL OF ESTHETIC DENTISTRYISSUE 2018

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