歯科衛生士のためのぺリオ・インプラント重要12キーワード ベスト240論文
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Q&Aで深める歯科衛生士臨床一般的な侵襲性歯周炎が発症する年齢の10歳前後からとするのが妥当です。Q 1解説:プロービングは、主に歯周ポケットの測定と歯肉の炎症状態の把握を目的として行われます。すなわち、歯周病罹患の有無や程度を調べることに主眼をおいており、一般的な歯周病の発症する30代以降に行われることが多いです。しかしながら、侵襲性歯周炎の中でも過去に若年性歯周炎と呼ばれていた患者は、早期に歯周病を発症します。ゆえにそのような患者を対象と考える場合、より早い段階でのプロービングが必要となります。 侵襲性歯周炎を引き起こす細菌の歯周組織への感染は、乳歯列の完成する2歳頃には起こるとも報告されていますが、一般的には第一大臼歯および中切歯が萌出する際に、細菌感染、定着が起こり、その結果歯周組織が破壊されると言われています。そのため、もっとも早い段階での測定は、第一大臼歯、中切歯が萌出した後が望ましいでしょう。永久歯の萌出直後に計測したとしても、周囲組織を傷つけてしまうおそれがあるとともに、プロービングによる正確な情報採取は難しいです。まずはブラッシングを徹底させ、完全萌出するまで待つべきです。年齢的には、一般的な侵襲性歯周炎の発症年齢、すなわち10歳前後からとするのが妥当であると考えられます。プロービングは何歳から行いますか?A1. 難病情報センター.早期発症型侵襲性歯周炎(平成24年度).http://www.nanbyou.or.jp/entry/3216 (2017年8月1日アクセス)参考文献侵襲性歯周炎の特徴概要疫学原因合併症歯周炎を除き全身的に健康であるが、急速な歯周組織破壊(歯槽骨吸収、アタッチメントロス)、家族内発症を認めることを特徴とする歯周炎。一般的にプラーク付着量は少なく、10~30歳代で発症することが多い。患者によっては、A. actinomycetemcomitansやP. gingivalisの存在比率が高く、生体防御機構、免疫応答の異常が認められることがある。侵襲性歯周炎の罹患率は、0.05~0.1%とされている。プラーク中の口腔細菌が主たる原因であるが、疾患の発症と進行には遺伝的要因が関与していることが考えられている。その詳細は不明。糖尿病等の易感染性患者の場合、歯周炎の症状が重症化する傾向がある。参考文献1より引用より早い段階でのプロービングにより侵襲性歯周炎を発見できる可能性が高まります。プロービング138

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