YEARBOOK2018気鋭歯科医師が歯を残す・守る
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2 歯髄が残れば歯も残る私の診療・臨床背景 筆者の診療室は滋賀県長浜市という琵琶湖と伊吹山の間にある,自然あふれる土地であり,この地域のホームデンティストとして,修復補綴治療,歯内療法,インプラント,そして患者の審美的要求まで,幅広い治療を行っている.また,当院に通う患者のほとんどは,治療だけでなく,予防・メインテナンスにも通っている.患者の年齢層は,小児から高齢者まで幅広く,特定の年齢層に偏っていない. 筆者の臨床目標は,予防・メインテナンス,治療を通じて患者のQOLに貢献することであり,小児はう蝕を発生させないこと,健全な歯列に導くこと,口腔内に対する正しい健康観を確立すること,成人は主に発生してしまったう蝕や歯周病を治療し,生涯を通じて歯を失うことなく過ごしてほしいと願っている.治療は患者の価値観を大切にし,歯科医師の目指す理想的な治療計画ではなく,患者にとって理想的な治療計画を立てることを心がけている. 筆者は10年以上,予防・メインテナンスを行い,患者と長く時間をともにすることで,う蝕と歯周病による歯の喪失はほとんど予防できることを経験した.その一方で,歯根破折による歯の喪失は今でも防ぐことができていない.歯根破折する歯は失活歯であり,いかに歯髄を守ることが重要かを痛感する毎日である.歯科医院内外観歯科医院概要臨床経験年数17年.2004年から西本歯科医院にて診療を行っており,GPとしての経験は約13年.西本歯科医院は1974年,現在の地に開業スタッフの勤務状況歯科医師3名(常勤2名,非常勤1名)歯科衛生士2名(常勤2名)歯科助手・受付3名(常勤3名)滅菌スタッフ1名1日の平均来院患者数とその内訳1日平均30名治療とメインテナンスの比率は2:3チェア台数4台(治療用チェア2台,メインテナンス用チェア2台)保険診療と自費診療の割合保険診療7:自費診療3別冊the Quintessence 「YEARBOOK 2018」31

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