歯内療法成功のためのコーンビームCT活用法
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根管の解剖学的形態を評価する673Song ら54は,上顎右側第一大臼歯に癒合した過剰歯への対応におけるCBCTの応用について報告した.すなわち,CBCTにより過剰歯の感染根管治療や6との交通路の封鎖についての有益な情報がもたらされ,術後に6は生活性を保ち無症状であったとしている.歯髄腔の計測パラメータCBCTが歯髄腔の各種計測パラメータや容積変化の測定に有用であることが示されている5, 59.すなわち,CBCT冠状断像上で決定した計測指標(咬頭頂,中心窩,天蓋,根分岐部など)を基に,上下顎大臼歯におけるアクセス窩洞の平均的な深さを測定したところ(図6-7),歯髄腔に到達するためには中心窩から6.0 mm,もしくは咬頭頂から7.0 mmを超えてアクセス窩洞形成を行うべきでないとの結論が得られている5.また,CBCTデータを表面レンダリングおよび体積レンダリングで再構成して矯正治療中における歯髄腔の容積変化を計測し,矯正装置の装着が退行性の影響を及ぼし歯髄腔容積の有意な減少をもたらしたとする研究59もみられる.L1L2L3L4abcdefg図6-7a~f:上顎第一大臼歯における各種の解剖学的指標を示すCBCT軸位断像.冠状断におけるこれらの正確な位置を模式図(g)に示す.(a) 咬頭頂が出現(L1).(b) 中央窩で咬頭が癒合(L2). (c) 天蓋(L3). (d) 髄床底(L4). (e) 歯根の分離が開始する位置.矢印は頬側根分岐部での分離の開始を示す(L5). (f) 根分岐部で歯根が完全に分離.矢印は遠心頬側根が近心頬側根および口蓋根と完全に分離していることを示す(L6).(g) L1〜L6の位置を冠状断で示す模式図.(参考文献5より引用)L6L5

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