生涯歯を残せる時代の5つのスキル
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第1章 歯科疾患の掌握10 1歯科疾患の特徴病因や病態を理解し、的確に説明できるようになろう!8ハチマルニイマル020達成状況0.05.010.015.020.025.00.010.020.030.040.050.0199310.9(%)15.3(%)24.1(%)40.2(%)51.2(%)19992005201120166.75.13.29.07.44.018.015.310.715.612.28.410.78.96.0(本)(%)80~84歳85歳~8020達成率1人平均現在歯数75~79歳(年)厚生労働省「歯科疾患実態調査」より 24時間、365日休みなく作用している歯や補綴物、歯肉・歯槽骨などの歯周組織は、日夜口腔内の厳しい環境に耐えて機能することが求められます。この環境に耐えつつ歯の本来の寿命を全うすることは、きわめて困難です。日本人の平均寿命は80歳を越えていますが、欠損のない永久歯列のままで寿命を迎える人は少数派です。歯の寿命は人間の寿命に追いついていないのが現実です。ただ、歯をすべて喪失し、無歯顎で寿命を迎える人は確実に減少しています。歯の寿命を人間の寿命に近づけることは可能でしょう。むしろ、歯の本来の寿命は、生命の寿命と同等か、それ以上に長いのかもしれません。 歯科医療の究極の目標は、歯の本来の寿命を維持すること、あるいは寿命の短命化を最小限にすることです。その目標は、短命化につながる環境要因をコントロールすることで実現できるでしょう。 2016年の「歯科疾患実態調査」の結果(概要)から、80歳の半数以上の人(51.2%)が、自分で何でも噛んで食べることができる目安とされる20本以上の歯を有しているとされている。「年をとったら歯がなくなる」といったイメージは、もはや過去のものといっても過言ではない。

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