生涯歯を残せる時代の5つのスキル
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第2章 主訴対応353 15の主訴をチェック●問診 問診票(次頁参照)の記載事項をもとに、以下の事項を確認・把握する。①患者本人、またはその保護者から「本人の言葉」で症状について直接聞く。診査を 担当した者の推測や用語の言い換えは、それがわかるようにカルテに記載する。②歯科疾患以外の全身疾患の有無を聞く。ある場合は、その要点を聞き出す。③生活背景、健康への関心度、優先度など、疾患以外の情報も取得する。処置計画 を立案する場合は、この情報の正確度が計画の精度に影響することが多い。●視診 視診で得られる多くの情報は、そのまま利用するだけでなく、診断の際に矛盾がないか問診や他の診査結果と比較することもある。直視やミラーを用いて、①歯冠・歯列・咬合、②歯肉、③口腔粘膜(頬粘膜、舌などの軟組織を含む)を観察し、正常・異常の区別、色相・光沢、形態・表面性状などを確認する。結果を記録し活用する場合は口腔内写真撮影を併用するとよい。 また必要に応じて、触診(硬さ、表面性状、波動の有無など)、打診(垂直方向、水平方向)、温度診も併用して行う。●ポケット診査(6点法) ①歯周病進行度・活動度の判定、②縁下歯石の発見、③歯根破折・亀裂の発見を目的に、歯軸に平行に歯面に沿って25gの力でポケット探針を挿入してチェックする。ポケットの深さとともに、出血や歯の動揺度、隣接面のコンタクト、分岐部病変の有無も記録する。●パノラマエックス線画像診 歯、歯槽骨、上下顎骨、顎関節、上顎洞など顎口腔系を総覧的に検査する際に有益な画像検査法。現在歯の分布、欠損の分布、咬合平面、歯槽骨レベル、上下顎骨病変、埋伏歯、歯胚、顎関節形態、上顎洞状態を1枚のエックス線画像で一覧できる。●デンタルエックス線画像診 歯・歯周組織を詳しく調べる必要がある場合に行う。すべての歯や歯槽骨を検査する場合は10枚法または14枚法の撮影を行う。①歯(エナメル質、象牙質、歯根)の検査 ⇒う蝕、歯の形態・方向、隣在歯との歯根近接度など②歯槽骨の検査 ⇒歯槽骨レベル、骨吸収度の精査、歯槽骨病変の有無と精査患者の状況を的確に把握しよう! 主な診査項目と目的1

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