成人~高齢者向け 咀嚼機能アップBOOK
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保持相〔咬合時〕ねじれ相〔閉口時〕準備相〔開口時〕図5 咀嚼中の内舌筋による舌運動、舌とその周囲の組織それ自体が筋肉の固まり(内舌筋=上縦舌筋・下縦舌筋・垂直舌筋・横舌筋)である舌には、ほかにもさまざまな周囲からの筋(外舌筋=舌骨舌筋・オトガイ舌筋・茎突舌筋)がかかわります。茎突舌筋は舌を後退させ、オトガイ舌筋は舌を前突させ、咀嚼を助けます。[参考文献2より引用改変]な回転を起こして下顎が側方運動します。またこのような咀嚼運動では、周囲の咀嚼筋が下顎の運動を起こします(図4)。下顎と顎関節、それらの周囲にある筋肉の複雑な協働が、一見単純に見える咀嚼運動を実現しているのです。咀嚼時にはたらく器官②舌とその周囲の組織舌には、骨から伸びて舌全体を移動・運動させる筋(外舌筋)と、舌の中を走行して舌の形を変える筋(内舌筋)があります(図5)。咀嚼中、舌は口腔内の食物を集めたり、歯の上に乗せたりを巧みに行う、非常に重要な役割を担っています。そのため舌は咀嚼中の下顎の開閉口に合わせて形を変えながら2、開口時には前方に、閉口時には後方に移動し、食べものを口の中に保持しつづけます3。咀嚼時にはたらく器官③脳の咀嚼運動制御咀嚼運動を行うためには、左右の咀嚼筋、舌筋、表情筋がタイミングよく活動する必要があります。これらの筋に動く命令(収縮命令)を送る運動ニューロン(神経細胞)舌骨舌筋オトガイ舌筋茎突舌筋舌骨顎二腹筋後腹顎二腹筋前腹口蓋舌筋舌上に食物が乗るような形態食物を歯の上に運ぶ運動食物が歯の上からこぼれないようにする形態上縦舌筋下縦舌筋垂直舌筋内舌筋横舌筋PART 1-2 咀嚼のメカニズムはどうなっているの?19

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