成人~高齢者向け 咀嚼機能アップBOOK
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◦舌のROM訓練図3 関節可動域訓練(ROM訓練)可動域の限界いっぱいまで頬や舌を動かす運動療法です。関節拘縮の予防や正常な関節可動域の維持に役立ちます。3~ 5回×1~3セット行いますが、患者さんによって継続可能な範囲を指示します。1.舌を突出させる2.突出させた舌を大きく上下に動かす4.舌を口腔前庭に入れ大きく一周回す3.突出させた舌を大きく左右に動かす練です(図4)。咀嚼時に疲れるなど、高齢者などでは口腔周囲筋の筋力が衰えがちであるため、その力を補うために行います。 大きくうがいを行う 咀嚼では口唇や顎、舌がそれぞれ異なる動きをする必要があるため、同じように各器官が異なる動きをするブクブクうがいを大きく行うことも有効な訓練となります。ただし咽頭期に障害がある場合は、水分の誤嚥に留意する必要があります。 呼吸訓練 呼吸は咀嚼に直接関与しませんが、嚥下時にはしっかり止める必要があります。咀嚼に時間がかかると、食塊が咽頭に送り込まれるまでに時間がかかって呼吸と嚥下のタイミングが取りにくくなり、それが誤嚥につながるため、呼吸を止めるときに余裕があることが望ましいのです。呼吸関連器官を鍛えるには、深呼吸、シルベスター法、体幹の捻転などの訓練を行います(図5)。1.大きく開口する(アーの口)2.口角を大きく引っ張るように動かす(イーの口)3.口唇を突出させる(ウーの口)◦口唇のROM訓練◦頬のROM訓練1.大きく頬を膨らませる2.膨らみを左右に移動させるあ~い~う~100

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