成人~高齢者向け 咀嚼機能アップBOOK
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PART 2-6 評価・指導の実際① 一般歯科医院での咀嚼機能評価と指導◦シルベスター法吸気時に腕を挙上し、呼気時に腕を下げる胸部の筋肉ストレッチ。20~35㏄程度胸郭が広がり、肋間筋を鍛え呼吸機能を高める。◦深呼吸の誘導方法図4 咀嚼関連筋機能訓練(MFT)咀嚼時に疲れるなど、口腔周囲筋の筋力が衰え気味の患者さんが筋力を補うためのもので、患者さん本人だけでも介助ありでも実施可能です。5~10秒間3~5回×1~3セット行いますが、患者さんにより継続可能な範囲を指示します。図5 呼吸訓練呼吸のタイミングをはかったり、それを可能にする筋力をつける訓練が必要となります。このほかにも、呼吸時に胸郭を広げるのに肋間のしなやかさが必要であるため、体幹をひねるなどのストレッチを行います。1.手をお腹に軽く添え、呼気時は手で軽くお腹を圧迫する1.右手で左腕のひじより上を、左手で右腕のひじより上をもつ2.鼻から息を吸いながら両腕を上げる3.吸気は鼻から大きく、呼気は口をすぼめてゆっくりとしてもらう3.ゆっくり口から息を吐きながら両腕を下げる2.吸気時は、お腹への圧迫を開放し、胸を張る◦頬の筋機能訓練◦舌の筋機能訓練◦口唇の筋機能訓練(ボタン訓練法)1.指を口腔前庭に入れ、軽く抵抗するくらいの力で外側に引っ張り、その状態で口唇を閉鎖させる1.突出させた舌尖をミラーやスプーンで軽く押し、それを舌尖で押し返す2.フロスを通した1~2cmのボタンを口腔前庭に保持させ、綱引きのように糸を引っ張る1.頬を膨らませてもらい、外から手指で押しつぶすように圧迫する2.同様に舌背や舌の側縁を軽く押し、押された舌の面で押し返す大きく鼻から吸い、口からゆっくり吐く。吸気が困難な場合は、しっかりと呼気するよう指示すれば、深呼吸を促しやすい。101

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