スペシャリストたちに学ぶ インプラントのための骨増生
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シンポジウム2骨欠損形態と部位に応じたGBR 術式の選択北島 一 Hajime Kitajima (静岡県開業)1987年 広島大学歯学部卒業1995年 北島歯科医院 開業5-D Japan ファウンダー日本臨床歯周病学会 認定医、American Academy of Periodontology 会員GBR を用いた骨造成について GBR(骨再生誘導法)は歯周組織再生のためのGTR(組織再生誘導法)を応用したもので、遮断膜により不必要な組織の進入を排除しターゲットとなる骨組織だけを再生させる方法である。 GBRの術式や材料の決定のための要素は2つ挙げられる。1つは骨欠損形態、そしてもう1つはGBRの目的である。ここで言う目的とは、骨欠損を改善し骨量を増やすことによりインプラントを支持するためか、または前歯部の審美性のために軟組織外形をサポートする形態を与えるためかに分けられる。つまり、術前の骨欠損状態と目指すゴールを考慮して、どのような材料を使ってどのような術式を用いるのかを決定する1)。 骨欠損形態についてはいくつか分類が試みられ、Benicら1)やTintiら2)による分類をみると、共通しているのは、水平的な吸収に関しては、骨の枠組みの内側に欠損が存在しているもの(内側性骨欠損)と、骨の枠組の外側に骨造成が必要なもの(外側性骨欠損)とに分類されている点である。また、別のカテゴリーとして垂直的な骨欠損を挙げている点も共通している。図1-a ₅部頬側に裂開状骨欠損が認められる。図1-b、c インプラント埋入後、₅部頬側から遠心にわたってフィクスチャーの露出を認め、₅₆ともに頬側の骨の厚さが不足している。図1-d 吸収性メンブレンをスクリューで固定し移植骨の流出を防ぐ。図1-e、f ₅の裂開は改善され、₅₆の頬側の骨は外側性に増大している。becf36

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