歯科衛生士の力でここまでできる 非外科的歯周治療
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非外科的インスツルメンテーション217marisa roncati 歯科衛生士の力でここまでできる 非外科的歯周治療 臼歯部をスケーリングする場合、歯の周囲の軟組織を傷つけることなく、また歯石をバーニッシュさせず効果的に歯石を除去するために、基本的な原則を順守することが重要である(図3-129, 161, 162参照)。以下の詳細な指針は、どのタイプのキュレット、スケーラー、シックルスケーラーにおいても有用な、臼歯の近心面をスケーリングする際のテクニック(著者の改良法)である。通常、器具の最初のポジションは、歯の長軸に対し平行に器具を把持し、スケーリングを行う歯面に対し先端を向ける(図3-198a)。 次のストロークはスケーリングする歯面から、この場合は上顎左側第二小臼歯の近心面から離れる方向に動かす。ストロークは歯面に収まるよう短く(図3-198b)、器具の先端は歯の近心面に沿って垂直に動かす。この場合もやはり、最初から器具先端を挿入することを推奨する。歯石の根尖側に到達したら、それを捉え、効果的な正しい垂直運動で除去する。不適切な動かし方 上述の原則(図3-198aのように初めに歯の長軸に沿って器具を挿入すること)を遵守しないと、スケーリングの効果は発揮されない。本来のプロービング深さに到達できず、デブライドメントでは辺縁歯肉の排除もままならず(縦のスペース)、わずか数mmに限局されてしまう(図3-199)。臼歯部近心面における正しい垂直的な動かし方図3-196図3-197

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