インプラント術中アシスト ベーシックテクニック
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切開PART11 切開の進行上に唾液や血液がある場合はすぐに吸引しましょう。また、出血は遠心に向かって流れるので、術野が血まみれにならないように細かく吸引することが大切です。2 術者は切開線の状態を確認したいので、術者の呼吸(見たいとき)に合わせて吸引します。3 術者が9時に位置するときの術部が右側の場合は、サクションチップを口蓋側に、術部が左側の場合は頬側に置くのが基本です。逆になると術者の視野のじゃまになります。4 メスの刃にサクションチップが当たるとメスの切れ味が落ちやすいです。そのため、切開時に血液を吸引するときはメス刃の反対側にサクションチップを添えて、刃先にサクションチップが当たらないように気をつけます。5 刃にサクションチップがあると切れ味が落ちます。したがって両刃のメスの場合は、メスの柄の部分にサクションチップを置きます。6 血液は遠心に流れていくため、遠心部の歯のマージン部あたりにサクションチップを置いても吸引が可能です。7 サクションチップは、半分浮かせて吸引するのもよいです。軟組織を全面で吸引すると血液がうまく吸いあがりません。浮かせることによってサクションチップの固定と吸引を両立できます。また、組織にダメージを与えないようにやさしく吸引しましょう。吸引と術野確保のポイント吸引不足で血まみれに!サクションチップは刃に当てない遠心遠心遠心吸引の状態が悪いと、術者からはよく見えない写真では刃が遠心に向いているが、隣在歯(近心側)の底部を確実に切開するためサクションチップは視野を遮らない位置に置く写真の部位はココ!近心近心近心サクションチップ写真の部位はココ!寄り道プチ知識上顎の歯槽頂切開断面のイメージ骨の上には軟組織があります。骨側から順に骨膜、結合組織、上皮組織と3層からなります。インプラントの手術では粘膜骨膜弁がよく用いられ、この3層を含む弁を形成します。骨骨膜結合組織上皮組織頬側口蓋側メスが入る深さメス27

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