成功例・失敗例で学ぶ 企画性のある口腔内写真撮影口座
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Lesson 7 シェードテイキング臼歯のシェード写真の記録の仕方 臼歯の修復物では前歯ほどシビアに細かな歯の特徴を再現しなくてよい場合が多いので,明度や色みなどのベースとなるシェード情報を正確に記録できればよい.具体的には頬側面と咬合面の2枚の写真が最低限必要である(図16a,b). 筆者は通常,ミラーを使って撮影していない.なぜならミラーを使って撮影していると,歯面が乾燥しやすく,正しいシェード情報を記録できないからである.Lesson6までに解説した規格撮影と異なり,側方面や咬合面を真正面から撮影できていなくても,シェード情報の伝達には問題ないと考えている.もしも図16cのようにミラーを使って撮影する場合には,歯面の乾燥に気をつけ,なるべく短時間で撮り終わるように心がける. なお,修復する歯の反対同名歯がきれいな天然歯の場合は,参考として反対側も撮影したほうがよい.好ましくないシェード写真とはシェードタブの位置1,4,7 シェードタブが歯と重なっているとその部位のシェード情報が失われ(図17a),また離れすぎても色を比較しにくい(図17b).図17cのように,歯とシェードタブを同一平面上に並べ,切端どうしを1mmくらい離して撮影するとよい.ちなみに,シェードガイドは前方にあると明度が高く見え,後方にあると明度が低く見えてしまう.■臼歯のシェード写真図16a~c 臼歯のシェード写真は,通常はミラーを使わずに頬側面と咬合面を撮影する.cのようにミラーを使用する場合には,歯面が乾燥しないように短時間で撮り終わること.abc135

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