GPとDHのためのぺリオドントロジー2
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細菌細菌歯肉炎歯周炎細菌細菌リスクファクター歯肉炎歯周炎歯肉炎から歯周炎へ図2a,b 歯肉炎から歯周炎に移行せずに均衡を保っているが(a),リスクファクターが均衡を崩し,組織破壊や炎症拡大へとバランスを崩していく(b).ab 以降数十年間,とてつもない努力が費やされ,完全とはいえないがこの過程における特定の細菌の役割が明らかになったとともに,圧倒的な量のエビデンスが証明したのは,組織破壊の大部分を進行させるのはコントロール不能な炎症と免疫反応であるということである.歯肉炎のステージ図3a〜c 歯肉炎のステージ.a:開始期は,単球(マクロファージ),リンパ球,好中球の軽度浸潤が結合組織内にみられる.b:初期は,好中球が接合上皮内にも出現し,拡張した微小血管から出てきた免疫担当細胞が結合組織内で増加する.c:確立期では,好中球が上皮内で勢力を増し,単球(マクロファージ),リンパ球が結合組織内で大勢をなす.あちこちでポケット内上皮に潰瘍が形成され,細菌の侵入に関して脆弱になる.一方,上皮脚が伸張することで上皮バリアのintegrityを維持して,細菌の侵入に対し防御的に働いている状態.歯周病のリスクが加わると炎症状態が進行し,結合組織の破壊や骨喪失をともなう歯周炎へと進行する.a:開始期(initial)b:初期(early)c:確立期(established lesion)13CHAPTER 1 歯周病病因論の全体像

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