GPとDHのためのぺリオドントロジー2
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口腔粘膜の臨床解剖口腔前庭の狭小,角化歯肉(付着歯肉)の有無図24 角化歯肉は硬組織に付着している付着歯肉と,付着していない遊離歯肉に分けられる.付着歯肉は角化歯肉全体量からポケット値(プローブ値)を引いたものになる.通常頬舌側の中央部を計測する.臨床的には,付着歯肉はしっかりした裏打ちの上皮性・結合組織付着や骨膜に固定されているので,炎症や付着喪失に対して保護的に機能する.いくつかの研究が付着歯肉の幅が広いほうが歯肉退縮に対して抵抗性をもつと示しているが,一般的には炎症が存在しなければ歯肉の健康や付着歯肉は通常維持される87〜89.図26 原則として前歯から大臼歯後方に向かうほど角化歯肉量は減少し,口腔前庭は浅くなる傾向になる.清掃性が維持できない場合は歯周炎のみならず,う蝕のリスク部位ともなるため,メインテナンス時には確認を怠らない.図25 インプラント周囲の歯槽粘膜は抜歯後に角化歯肉が失われる傾向がある.浅い口腔前庭は清掃性が損なわれるおそれがあり,適切な口腔衛生指導とプロフェッショナルケアが欠かせない.図27a,b 角化歯肉が少ない箇所はメインテナンス時の要チェック部位である.セルフケアが適切に行えているか,炎症はないか,根面う蝕はないか,清掃性を向上するために軟組織移植は必要ないかを考察する.③歯肉歯槽粘膜境(MGJ)歯槽粘膜②歯肉溝底(ポケット底部)付着歯肉遊離歯肉①歯肉辺縁①②③54

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