Digital Dentistry YEARBOOK 2018
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30selected article from IJCdチェアサイドシステム:現在のレビューZaruba M*1, Mehl A*2*1Dr. med. dent. Markus Zaruba*2Prof. Dr. Dr. med. dent. Albert Mehl*1-2Abteilung für Computergestützte Restaurative Zahnheilkunde, Zentrum für Zahnmedizin, Universität Zürich, Schweiz<翻訳>鳥井克典/山本真由/末瀬一彦(大阪歯科大学)キーワード:チェアサイドシステム、デジタル印象採得、口腔内スキャナー、グライディング/ミリングユニット、レビュー要旨 Cerec(Chairside Economical Restoration of Esthetic Ceramics)が1980年代半ばに最初の歯科用チェアサイド型コンピュータ支援設計/コンピュータ支援製造システム(CAD/CAM)として導入されて以来,この技術はとくに近年、さらに注目されている。ここ数年で利用可能なチェアサイドシステムの数は著しく増加している。この主な理由のひとつに、口腔内スキャナーがますます小さく、より速くなり、設計ソフトウェアがより使用しやすくなってきていることが挙げられる。現在、多くの作業ステップが自動化されており、チェアサイド向けとして非常に多くの種類の材料が利用できる。これらの進歩によって、補綴、歯科用インプラント、歯科矯正の分野での「チェアサイド・デンティストリー」の適応範囲が急速に拡大し、より新しい治療や治療計画立案の可能性が開けた。他の理由としては、口腔内スキャナーベースのデジタル印象法はいくつかの点において、従来の印象法よりも優れていることである。さらに、デジタルで設計された歯科修復物の適合性はミリングマシンの技術の進歩によって絶えず改善されていることである。 チェアサイドシステムは非常に多くの可能性を秘めているため、歯科診療の標準的な機器になるのは時間の問題である。この記事では、チェアサイドのワークフローの実際の利点と限界をレビューし、現在利用可能なすべてのチェアサイドシステムの概要を示す。緒言 チェアサイドシステムとは、1回のアポイントメント時間内に、歯の形成直後に歯科用修復物を製作することを意味する1、2。歯科用チェアサイドシステムは30年以上前から利用されており、最初はCerecシステムであった。これは、E4Dが2008年に2番目の完全チェアサイドシステムを導入するまで、長年にわたって利用可能な唯一のシステムであった。口腔内スキャナー技術の分野における急速な発展と改良によって、多く

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