はじめての顕微鏡 マイクロスコープが「見える」「使える」ようになる本
2/6

 視度調整に続いて,瞳孔間距離,つまり目の幅を合わせる.双眼鏡を覗いた経験があればわかると思うが,眼の幅が合っていないと両目の像は1つにならずよく見えない.しかし,これを調整して目の幅が合った途端,それまで左右別々に見えていた像が1つの円になり,遠くのものが急に近くに見えるようになる.これと同じことを顕微鏡でも行う. この調整の前には,視度調整時にきつく締めたフリクションを元に戻すことを忘れないようにしよう.2瞳孔間距離を合わせる瞳孔間距離の調整1接眼レンズのフード 瞳孔間距離を調整する前に,接眼レンズの左右のフードの長さを均等に合わせる.このフードの目的は目と接眼レンズの間を一定の距離に保つためと,接眼レンズに余計な光が入らないように遮光することである. 裸眼やコンタクトレンズを装用している場合は,目盛のラインを目安に左右同じ長さに少し伸ばす.眼鏡を着用している場合は,フレームがあるのでフードは最短にしておく.フードの調整の際に,前項で調整した視度調整ダイヤルを動かしてしまわないように注意しよう. また,治療中は両手が塞がっているので,顔や眼鏡でこのフードを押して顕微鏡の位置を調整することがある.すると,知らず知らずフードの長さが左右で違ってしまい,視度調整が無意味になってしまうこともある.フードの長さは,つねに注意しておこう. まず倍率を最小にし,今度は両眼で顕微鏡を覗く.覗きながら瞳孔間距離調整ダイヤルを回していき,両眼の像が1つに見えるようになったら完了である.瞳孔間距離 調整ダイヤルこの距離を調整する2瞳孔間距離を調整することで像が1つに見えるようになる▶瞳孔間距離の調整は両眼で.〝見える〞顕微鏡にするための設定・オプションPART228

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る