はじめての顕微鏡 マイクロスコープが「見える」「使える」ようになる本
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 「見落としやすいう蝕の診断」の項で提示した症例の修復である.とかく審美性がクローズアップされることの多いコンポジットレジン(CR)修復であるが,臼歯部隣接面においては審美性よりも辺縁適合性が重要である.ところが,肉眼では隔壁の適合性を“見て”確認することができず,結果としてCRがはみ出して新たなプラークトラップになってしまうことが多かった.しかし,顕微鏡の拡大視を用いることで高精度の隔壁法が可能となり,適合性の高い修復ができるようになった.3コンタクトをわずかに越えた高さまでフロアブルレジンを充填することで,この後の充填を楽にする.4辺縁隆線部はペーストレジンの粘稠度を利用して豊隆を回復する.3精度を求めたコンポジットレジン修復1第二大臼歯近心面の充填は極細のチップを用いて窩洞外へあふれ出ないように充填する.2Wedjets(タカラ)とバイタインリングを用いたラバーウエッジ法の隔壁.5処置直後の咬合面観.残存歯面に沿った充填が完了している.6頬側から見た隣接面観.CRの溢出がなく,辺縁隆線の湾曲も再現されている.PART7顕微鏡歯科治療の可能性101

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