口腔外科 YEARBOOK一般臨床家、口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル'18
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VISUAL SEMINAR : BASIC DENTAL AND ORAL SURGERYbcaも脱臼させにくいことがある.このような場合には,歯根背面にグルーブを形成し,ヘーベルを裏向きに挿入して歯根上方の骨の厚い部分を支点にし,ヘーベルの把持部を遠心に倒すことにより梃子の原理で歯根を前方に出す.このグルーブが歯冠分割後の分割面に近すぎると歯質が破折しやすいので,分割面から根側にやや離して形成する.グルーブが深いほど梃子の力が大きくなり脱臼しやすい.2根であっても,根の形状によっては歯根分割しなくともこの方法で抜歯可能である.③背面グルーブを延長した歯根分割(図20) 複根で根の湾曲や開大がある場合には,歯根の分割が必要である.埋伏歯の埋伏角度によっては歯冠分割面の中央から分岐部を狙える場合もあるが,水背面の骨を削除骨を支点に図19a~e 背面グルーブによる歯根の脱臼.歯根の背中にグルーブを形成し,ヘーベルを裏向きに使って,骨を支点にして歯根を前方へ出す.abcdedefg図20a~g 背面グルーブの延長による歯根分割.埋伏角度によっては必ずしも断面の真ん中から分岐部を狙う必要はない.背面グルーブを延長して上から歯根分割を行う.35Chapter1-1下顎埋伏智歯抜歯時のトラブル回避法

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