正しいカルテ記載マスターガイド 2018改訂対応版
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2018年改定対応版刊行にあたって 正しいカルテ記載をめざして、その手引書として初版を発刊してから7年が経過しました。その間にも医療過誤による訴訟件数は相変わらず多く、患者さんからのカルテ開示やレセプト開示請求も増加していて、医療を取り巻く環境はますます厳しくなっています。その結果として行政による保険医に対する個別指導や監査も増加していて、しかも新規指導からすぐに個別指導に移行するケースも見受けられるようです。したがって、正確で詳細なカルテ記載がますます求められています。 そこで本書では、主に研修医および卒後数年の若手歯科医師やこれから開業を考えている先生を対象に、実際の保険診療に沿った、わかりやすいカルテ記載の手引書をめざしています。 また2018年版では、巻頭企画として「カルテに要添付! 平成30年4月改定の主な新設項目における必要な文書事例」と題して、診療情報連携共有料ならびに歯科疾患管理料の総合医療管理加算・小児口腔機能管理加算・口腔機能管理加算について文書事例等を提示して解説しています。さらに前回2016年版の特集「押さえておきたい保険医療機関への指導に関する正しい知識」は、個別指導等への対応等について役立つ情報提供として、引き続き巻末付録として掲載しています。 本書の特徴として次の点が挙げられます。◦❶保険制度をわかりやすく解説しています。◦❷保険医の責務と禁止事項について簡潔に記載しています。◦❸カルテの記載事項について詳細に解説しています。◦❹症例別に初診からのカルテ記載を、実症例に沿って記載しています。◦❺処方箋や技工指示書、患者さんへの交付文書の例を掲載しています。◦❻歯科医師として最低限知っておくべき法令集も掲載しています。このように、カルテ記載に関する基礎知識は十分にカバーしている内容となっています。また、本書のカルテ記載事項については、行政による指導の場において、しばしば保険医に対して指摘される事項も網羅していますので、ベテランの先生方にも参考になることと思います。 さらに平成30年4月の診療報酬改定にあわせて改定事項や保険点数を修正しています。 なお、本書はクインテッセンス出版発行の『歯科保険請求』(通称「青本」)の姉妹書として発刊しました。詳細な個別症例や保険請求については、そちらも併せてご活用ください。 最後に、この本が先生方の日常診療における一助になることが出来れば幸いです。2018年6月 編集委員を代表して 小笠原浩一

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