子どもたちの歯と歯列の成長を守るメインテナンス術
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スペース不足を放置すると、前歯部の叢生や犬歯の低位唇側転位を起こしてしまう。そのきっかけは乳歯列期、上下切歯交換期から始まっていることが多い。26歳時。上下歯列に叢生があり、明らかなスペース不足による歯列不正である。このスペース不足が乳歯列から始まっていることがわかる。成長発育期に見つければ、拡大により抜歯を免れることも 顎の発育が不十分なうちに低年齢で前歯部の交換が始まり、上下4前歯が並ばない子どもたちがいます。また、永久歯のサイズが明らかに大きすぎる子どもたちもいます。このように、顎と歯の大きさのバランスに異常がある場合、永久歯がそろう頃にはスペースが不足し、叢生や小臼歯の異所萌出、犬歯の低位唇側転位などにつながります。これらの改善には、抜歯をともなう矯正治療が必要になります。 この場合も、上下切歯交換期に叢生がなくきれいに排列していれば、次の側方歯交換期をよい状態で迎えることができます。閉鎖型の乳歯列や、上下切歯交換期に叢生や乳犬歯の脱落などが起こっている場合は、明らかなスペース不足といえます。スペース不足成長を妨げる因子2図7 スペース不足による不正咬合の例cbafed乳歯列の閉鎖型歯列弓では発育空隙は認められない。cba症例6DATA5歳、女子58

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