PRD YEARBOOK 2018
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別冊the Quintessence PRD YEARBOOK 2018【   発】世界が認めた「あの」テクニックの臨床応用cabb図6 プラットフォームスイッチングの基本概念はインプラントを骨縁下に埋入し、そのシーティングサーフェス上に存在する骨を維持することである。したがって、ここで重要なことは骨縁下部のアバットメント形態である。歯槽骨頂部を超えるまでは、アバットメントがストレートに立ち上がることで骨は維持できる(a)。インプラント体と骨の位置関係を歯科技工士に伝えることでアバットメントの理想的なデザインが可能となり(b:インプラント埋入時)、その結果、インプラント周囲骨は吸収するどころか、むしろ増加傾向へと向かう(c:9年経過時)。※実長12.6mmのインプラント体がX線上で12.99mmであることから近心部の5.02mm、遠心部の3.17mmは実サイズに近似していると考えてよい。図7 これまでプラットフォームスイッチングによって歯槽骨頂部の骨が維持されることは述べてきたが、その効果は骨ばかりか軟組織にも及ぶことがわかっている。プラットフォーム スイッチングしなかった場合には、インプラント体のカラーが骨縁上に露出し、アバットメント周囲の粘膜は圧縮されている(赤矢印)。プラットフォーム スイッチングした場合には、インプラント体のカラーは骨で覆われており、アバットメント周囲の粘膜は厚く維持されている(青矢印)。このようにプラットフォーム スイッチングの効果は骨の維持だけでなく粘膜の厚みを維持できることがわかってきた。一方で、術前から粘膜が薄い場合には結合組織移植にてインプラント周囲粘膜の厚みを確保しておくことも重要である。プラットフォーム スイッチングの効果を最大限に発揮するためのアバットメントの形態プラットフォーム スイッチングによってもたらされる効果(動物実験による走査型電子顕微鏡所見)144

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