GP・小児・矯正が共に考える 実践早期治療
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345678910111213141516171819202122初診 3歳7か月う蝕・歯周病予防 シュワルツの装置(下顎拡大) 3歳7か月 8歳9か月シュワルツの装置(上下顎拡大)  8歳9か月 10歳8か月咬合斜面板(1回目)   10歳8か月 11歳3か月咬合斜面板(1回目)+MFT 13歳0か月 13歳6か月保定装置 13歳0か月 17歳3か月 →乳犬歯間幅径が狭い③ターミナルプレーン 遠心階段型(図7)が挙げられます.これらの問題点から,①②より下顎永久切歯の重度叢生③よりアングルⅡ級不正咬合への移行が予測され,現時点からの早期矯正治療が必要と診断しました. (2)治療方針1.下顎前歯部の重度叢生の解消2.過蓋咬合の改善3.アングルⅡ級不正咬合への移行防止 以上の治療方針を達成するため,歯列,とくに犬歯間幅径の成長発育の著しい切歯交換期に,成長に乗じて下顎拡大を先行し,4切歯の排列と過蓋咬合の改善を図り,その後,上顎拡大を行うことにしま図3 6歳0か月定期検診時.下顎永久4切歯が確認された.図4 7歳6か月.下顎右側乳切歯が癒合歯で舌側に永久中切歯が萌出してきた. 図5 過蓋咬合で下顎乳犬歯間が著しく狭く,下顎永久4切歯の萌出スペースはない.図6 7歳6か月.永久歯胚は欠如なくそろっていた.図7a,b ターミナルプレーンは軽度の遠心階段型.永久歯列にはアングルⅡ級の上顎前突に移行することが予測される.した. アングルⅡ級不正咬合への移行防止は側方歯群交換期にリーウェイスペースを利用し,アングルⅠ級に改善する予定でした(図8).(3)治療経過 10歳8か月時には上下顎ともに叢生は改善しましたが上顎前突の傾向が出てきたため,咬合斜面板を利用し改善することになりました.さらに12歳11か月時,下唇の異常口唇圧も加わり下顎後退が生じ,上顎前突度が増したため,再度,咬合斜面板を利用し,口唇圧を弱めるためにMFTも併用しました(図8). 17歳3か月時には下顎第二大臼歯まで完全萌出し,今後の過蓋咬合および上顎前突の再発に考慮し,下顎が少々前方移動した顎位で緊密な咬合を確立しました(図9〜13).ab179図8 治療経過一覧.5 叢生+過蓋咬合⇒上顎前突の発現症例シュワルツの装置咬合斜面板

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