研修医・歯科衛生士にこそ読んでもらいたい! 学校では習わなかった義歯と義歯ケアの話
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33Part 1して,徐々に自立度が下がっていく下降度を小さくすること.つまり飛行機にたとえると,飛んでいる高度をあらかじめ高くしておくように下降前の自立度のレベルを高く保っておくことです.これが要介護期間を短くし,健康寿命を延伸させることに繋がると考えられます. イベントの発生を遅らせつつ,できるだけ元気な状態,つまり自立度が高い状態で高齢期に突入するように導くことが健康長寿社会を達成するために重要なのです.そして,そのためには歯科は何ができるかを考えることが今求められています.図5-2 フレイルの基準.3項目以上該当すれば,フレイルとされる.心身機能前フレイル期オーラルフレイル期サルコ・ロコモ期フレイル期口腔機能回復する機能もある精神(意欲低下)心理(うつ)活動量低下生活の広がりの低下口腔リテラシー(①口腔への関心度,②口腔保健行動,③口腔情報活用能力など)低下歯周病・う蝕歯の喪失滑舌低下食べこぼし・わずかなむせ噛めない食品増加食欲低下食品多様性低下咬合力低下舌運動の力低下食べる量低下食べる量低下代謝量低下サルコ・ロコモ摂食嚥下障害咀嚼機能不全フレイル要介護運動・栄養障害回復する機能もある図5-3 食(栄養)および口腔機能に着目した加齢症候群の概念.介護予防(虚弱化予防)から要介護状態にいたってしまう(参考文献5より引用改変)5.体重減少疲労感活動度の減少身体機能の減弱(歩行速度の低下)筋力の低下(握力の低下)フレイル義歯は高齢者の喜びとともに

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