3Dイラストで見るペリオドンタルプラスティックサージェリー インプラント・ポンティック編
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992章6 インプラントリカバリー時のプラスティックサージェリー208図2-6-2h根尖部はMGJを越える位置まで形成し、近遠心的には、両隣在歯に及ぶエンベロップフラップを形成する。07図2-6-2gエンベロップフラップに充分な可動性を得るためには、インプラントの両隣在歯の歯肉辺縁切開も併用し、隣在歯側からも乳頭組織の挙上を行う。重要ポイントEvidence 1.Burkhardt R, Joss A, Lang NP. Soft tissue dehiscence coverage around endosseous implants: a prospective cohort study. Clin Oral Im-plants Res 2008; 19(5): 451-457. 2.Zucchelli G, Mazzotti C, Mounssif I, Mele M, Stefanini M, Montebugnoli L. A novel surgical-prosthetic approach for soft tissue dehiscence coverage around single implant. Clin Oral Implants Res 2013; 24(9): 957-962. インプラント周囲の軟組織の退縮への対応 審美領域のインプラント治療において、インプラント周囲の軟組織の退縮は大きな問題となる。これまでも天然歯の根面被覆術の概念と手技を応用し、インプラント周囲の軟組織の退縮の治療が行われてきた。天然歯の台形弁による根面被覆術を採用したコホート研究では、CTGを用いることで退縮改善効果はあるものの、天然歯と比較して被覆率は明らかに劣ると結論付けられている1)。しかし、同様のフラップデザインを採用したZucchelliらは、アバットメントや補綴装置のカントゥア調整を併用し、1年後の観察で、96.3%の部位で退縮の改善を認め、75%で完全被覆を達成している2)。 現状では、インプラント周囲の軟組織の退縮改善にCTGは有効だが限界はあると理解すべきである。ただし、Zucchelliらが報告しているように、術直後とその後の周囲の軟組織への適切な圧(直後はテンションフリー、その後は適度な圧)を得るために、アバットメントを含めた補綴装置の形態の改変が結果をさらに改善する可能性が高いと言うことができる。

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