3Dイラストで見るペリオドンタルプラスティックサージェリー インプラント・ポンティック編
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1304章プラスティックサージェリーとインプラント補綴05図4-1-1e06図4-1-1f切縁の位置決定に伴い、アクセスホールとの唇舌的な距離を確認する。3mm 審美再現に支障が出る可能性①セラミックにて切縁を被覆する必要がある場合、②切縁からアクセスホールまでの高さが3mmを切る場合、③切縁側の唇舌的な厚みが2mmを切るような場合はフレームワークの構造上強度が確保しにくくなり、審美再現にも支障をきたすことになる。唇側軸面形態の完成。臨床歯冠形態においては天然歯同様にカントゥアガイドラインに沿って自浄性を考慮した形態を与える。 1.Martin WC, Pollini A, Morton D. The inuence of restorative procedures on esthetic outcomes in implant dentistry: a systematic review. Int J Oral Maxillofac Implants. 2014; 29 Suppl: 142-154. 2.Tarnow DP, Chu SJ, Salama MA, Stappert CF, Salama H, Garber DA, Sarnachiaro GO, Sarnachiaro E, Gotta SL, Saito H. Flapless postextrac-tion socket implant placement in the esthetic zone: part 1. The eect of bone grafting and/or provisional restoration on facial-palatal ridge dimensional change-a retrospective cohort study. Int J Periodontics Restorative Dent. 2014; 34(3): 323-331. 3.Wittneben JG, Brägger U, Buser D, Joda T. Volumetric Calculation of Supraimplant Submergence Prole After Soft Tissue Conditioning with a Provisional Restoration. Int J Periodontics Restorative Dent. 2016; 36(6): 785-790. 4.Furze D, Byrne A, Alam S, Wittneben JG. Esthetic Outcome of Implant Supported Crowns With and Without Peri-Implant Conditioning Using Provisional Fixed Prosthesis: A Randomized Controlled Clinical Trial. Clin Implant Dent Relat Res. 2016; 18(6): 1153-1162. Evidence審美領域のインプラント治療におけるプロビジョナルレストレーションの重要性参考文献4における治療完了1年後のPESとWESによる審美性の評価4)プロビジョナルレストレーションの使用ありプロビジョナルレストレーションの使用なし平均中央値平均中央値p値*PESスコア8.794.95.50.0001WESスコア895.670.0036 インプラント治療におけるプロビジョナルレストレーションの重要性は多く報告されており、暫間的な機能や審美性の回復のみならず、インプラント周囲軟組織の形態を評価・改善すること、最終補綴装置の形態を確認することなど多くの意義がある1)。 抜歯即時インプラント埋入では、埋入と同時にプロビジョナルレストレーションを装着することで、粘膜貫通部がプロビジョナルレストレーションの形態に応じて治癒するため、審美的に有利だと考えられている2)。一方で2回法を採用し、二次手術時に既製の円形のヒーリングアバットメントを用いて軟組織の治癒が得られた後でも、軟組織形態の改善の余地は十分にあることが報告されている3)。また、既製のヒーリングアバットメントを使用して治癒が得られた後に、プロビジョナルレストレーションを使用しての軟組織形態の改善を行った場合と、プロビジョナルレストレーションを使用しなかった場合で、最終補綴装置の審美性を評価したランダム化比較試験では、プロビジョナルレストレーション使用の有無を知りえない評価者が、治療完了から1年後にpink esthetic score(PES)とwhite esthetic score(WES)で審美性を評価した結果、PES、WESともにプロビジョナルレストレーションを使用した群のほうが有意に高かったと報告されている4)。 したがって著者らは、二次手術後のプロビジョナルレストレーション期間にも軟組織に対して積極的な補綴的介入を行い、必要に応じて外科処置の併用も考慮している。

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