臨床家のための矯正YEARBOOK2018
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図2 AngleI級骨格性開咬症例(上)と上下顎骨切り術を併用した外科的矯正治療結果(下).図1 AngleI級歯性開咬症例(上)と矯正単独治療結果(下).012臨床家のための矯正YEARBOOK 2018はじめに 開咬(Openbite)は咬頭嵌合位において,数歯にわたって上下顎の歯が接触していない状態で,主に前歯部の開咬を示し(図1, 2のいずれも上段),臼歯部では臼歯部開咬ということが多い.開咬は多くの要因により発症し治療後の後戻り率が大きいので,たいへん困難な治療であり,矯正歯科医を悩ます不正咬合のひとつである.開咬の原因と発現率 開咬の原因を調査した最近のレビューでは,その原因はさまざまで研究者によっても異なるが,遺伝的要因と口腔習癖,舌の異常,気道閉塞,神経筋障害,顎顔面への外傷や咬合性外傷,顎関節のリウマチ性疾患,頭,下顎,舌の位置,ポステリアディスクレパンシー等多くの環境的要因が互いに関連し,種々の開咬状態を引き起こしていると報告されている1,2.[総論]Consideration of Adult Openbite TreatmentNoriyoshi Shimizu日本大学歯学部歯科矯正学講座連絡先:〒101‐8310 東京都千代田区神田駿河台 1‐8‐13清水典佳成人の開咬その治療を考える特集 成人の開咬を考える 

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