臨床家のための矯正YEARBOOK2018
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図4a~e 治療経過.a:マルチ1か月,b:マルチ5か月,c:マルチ10か月,d:マルチ13か月,e:マルチ26か月.acbde137臨床家のための矯正YEARBOOK 2018株式会社バイオデントplane angle caseであった.模型分析所見:上顎のALDは-2.0mm,下顎のALDは-4.8mmであった.診断:上下顎前歯部叢生をともなう開咬.治療方針:5555を抜去し,歯の排列と前歯部叢生の解消を図るとともに,上顎臼歯部の頬側歯槽部に歯科矯正用アンカースクリューを植立し,これを固定源として上顎臼歯を圧下することにより,下顎骨の反時計方向への回転を促すこととした.治療経過:上顎にトランスパラタルアーチ,上顎歯にマルチブラケット装置を装着し,レベリングを開始した(図4a).5555を抜去し,4か月の上顎歯のレベリング後,下顎犬歯および臼歯にマルチブラケット装置を装着し,セクショナルアーチによる下顎歯のレベリングを開始した(図4b).上顎歯のレベリングと下顎の抜歯空隙の閉鎖を進めた後,マルチ開始9か月時に, ₇₆₆₇間の頬側歯槽部にType-TK(直径1.6mm;長さ6mm)を植立,1か月の待機の後,150gのクロージングコイルスプリングにより上顎前歯の遠心移動を行った(図4c).マルチ開始13か月時,上顎前歯の遠心移動が終了した後,エラスティックチェーンによる上顎臼歯の圧下を開始した(図4d).

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