完全攻略 スーパーボンド(R)

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8　スーパーボンド®は，MMA（メチルメタクリレート）をベースモノマーとし，歯質や歯科材料に対する高い接着性を有するために機能性モノマーである４-META（４-メタクリロキシエチルトリメリット酸無水物）が添加されている．重合触媒は，TBB（トリ-n-ブチルボラン）を部分酸化して用いているが，TBBは水を含む被着面で重合促進効果があることから1，歯質のように水を含む被着体の接着に好都合である．使用する際には，ポリマー粉末であるPMMA（ポリメチルメタクリレート）とモノマー液（MMAと４-META），TBB（キャタリストV）を混ぜることで重合が開始し，硬化する．　スーパーボンドの基本組成（表1-1）は，開発当初から変わっていないものの，発売以来さまざまな製品群が追加されている．ここでは網羅的な製品群の整理を試みたが，当然ながら臨床においてこれらすべてを揃えて使いこなす必要はなく，術者の臨床スタイルに合わせて選択すれば良い．スーパーボンド®の基礎の基礎を復習しようスーパーボンド®の基本操作1章―知っていました？　基本組成・処理材・基本操作―　 はじめに図1-1　従来法用ポリマー粉末． 左からクリア，ティースカラー，アイボリー，オペークアイボリー，オペークピンク，ラジオペーク．表1-1　スーパーボンドの基本組成主な成分備考ポリマー粉末PMMA（poly-methyl methacrylate）11種類（図1-1，2，3参照）従来法用（6種類）・筆積用（2種類）・混和用（3種類）モノマー液MMA（methyl methacrylate），4-META（4-methacryloyloxyethyl trimellitate anhydride）2種類（図1-4参照）モノマー液・クイックモノマー液（2官能モノマーを配合）キャタリストVTBB（tri-n-butyl borane）火気厳禁（図1-5参照）：モノマーとキャタリストVの標準比率（4滴：1滴）：活性化液