完全攻略 スーパーボンド(R)
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9スーパーボンド®の基礎の基礎を復習しよう ―知っていました? 基本組成・処理材・基本操作―  スーパーボンドの製品構成Ⅰ1ポリマー粉末 主な成分はPMMAであり,PMMA粉末自体は白色である(「クリア」). 従来法用ポリマー粉末(図1-1)では,「クリア」に顔料を添加した「ティースカラー」や「アイボリー」が追加され,さらに色の遮蔽効果を高めるために酸化チタンをカプセル化した「オペークアイボリー」や「オペークピンク」,さらにエックス線造影性を高めるためにエックス線造影剤を添加した「ラジオペーク」がある2. また,ポリマー粉末の形状に改良を加えることによって筆積法専用(図1-2)と混和法専用(図1-3)のポリマー粉末が開発されている3.最近では筆積法専用ポリマー粉末には,フッ素徐放性を期待してフッ化ナトリウムを添加した製品「筆積F3」もある.2モノマー液 モノマー液の基本組成は,MMAと4-METAであるが,操作時間を短縮するために「クイックモノマー液」が開発された(図1-4). クイックモノマー液は,MMA,4-METAのほかに親水性2官能性モノマーを含んでおり,重合速度が向上するとともに硬化後の物性も向上している4. クイックモノマー液は,後述するスーパーボンド使用のポイントを押さえることで,従来のモノマー液と同様に操作することができる.3キャタリストV スーパーボンド最大の特徴の1つが触媒である.スーパーボンドを使用する際には,モノマー液とキャタリストVを4滴:1滴の割合で混ぜて使用する(活性化液).キャタリストV(図1-5)は,専用容器から滴下後,必ずキャップをしっかりと締めて室温で保管する. TBBは部分酸化して活性は低いが,発火の恐れがあるため,破棄する際にもキャップをしっかりと締めて産業廃棄物として処理する.図1-2 筆積法専用ポリマー粉末.筆積クリア(左図)と筆積F3.図1-4 モノマー液(左図)とクイックモノマー液.図1-3 混和法専用ポリマー粉末.左から混和クリア,混和ティースカラー,混和ラジオペーク.図1-5 キャタリストV.

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