完全攻略 スーパーボンド(R)
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117no.7:スーパーボンド®根充シーラーを用いた根管充填 ―生体にとっても優しいSBシーラー―図7-2a SBシーラーと根管象牙質との接合界面の走査電子顕微鏡(SEM)像.SBシーラーは根管象牙質と間に樹脂含浸層を形成するのみならず,ガッタパーチャポイントとの表面にも浸透するため,歯質,シーラー,ガッタパーチャポイントの一体化が可能である.図7-3 還元剤として用いるアクセル.次亜塩素酸ナトリウムの影響による重合阻害を回避する.図7-2b 同光学顕微鏡像.れるものではなく,適切に応用できなければ,その威力を発揮することはできないのである. SBシーラーの使用法は,基本的にはスーパーボンドの混和法と同じであるが,操作手順は下記のとおりである.①根管形成終了・乾燥後,ガッタパーチャポイントを試適し,作業長を確認する.②歯面処理時に先立ちアクセル®(図7-3)を5~10秒塗布し,乾燥を加える(図7-4a). これは,根管洗浄の際に頻用されている次亜塩素前治療されたときのシーラーやガッタパーチャポイントの取り残しなどがあると,これらが接着阻害因子となり,本来の性能を発揮しきれない可能性がある.したがって,接着性シーラーは従来のシーラーよりもテクニックセンシティブであり,接着操作前に根管の拡大・清掃をしっかりと行い,これらによる影響を排除しておかなくてはならない.また,根尖部まで十分に歯面処理したうえで確実な接着操作を行うためには,ラバーダム防湿は必須であり,また同時にマイクロスコープ下での施術が望ましい.  実際の術式Ⅱ まず適切な根管治療が行われることが大前提である.すなわち,原則に則って必要十分な根管形成をラバーダム防湿下で行い,機械的拡大・化学的清掃を徹底する. 根管充填とは,根尖周囲組織に感染を波及させないように改善された根管を,その状態が維持され死腔を生じないように封鎖する処置にすぎない.つまり,いくらSBシーラーが優れた接着性を有していたとしても,確実に根管治療の不備をカバーしてくガッタパーチャポイント接合界面接合界面ガッタパーチャポイントSBシーラーSBシーラー

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