チェアサイドQ&A 予防歯科編 PART1
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54ブラッシング歯ブラシデンタルフロス歯磨剤洗口液食品喫煙歯周病回答:邵 仁浩 患者さんが飲んでいるのが、純粋な炭酸水であれば、歯への影響は小さいと考えられます。 一般的に原材料が水と二酸化炭素のみの純粋な炭酸水は、pH5程度の弱酸性の飲料です。「酸蝕症」のリスクは飲料のpHと残留飲料が唾液で中和されるまでの時間(緩衝能)に関係します。純粋な炭酸水は、コーラなどの炭酸飲料(pH2.5~3.0)と比較して酸性度が弱く、また、摂取後は一時的にpHが低下するものの唾液によって短時間(1分以内)でエナメル質の臨界pH値である5.5以上に回復します1,2)。このことから、「酸蝕症」のリスクは完全に否定はできませんが、心配するほどではないと考えられます。 ただし、レモンなどの風味づけに酸味料(主にクエン酸)を添加することで、コーラなどの炭酸飲料と同程度の酸性度を示す炭酸水(砂糖なし)もありますので、成分表示を確認するなどの注意が必要です3)。 また、歯根面の表層を覆うセメント質や象牙質では、臨界pHはエナメル質に比べてさらに高くなる(pH6.7)ことから、歯周病などで歯根面が露出した場合には、より注意を喚起するというように、患者さんの口腔内の状況に応じた指導が必要となります。食品に関する疑問患者さんに、「砂糖の入っていない炭酸水を飲んでいるけど、これも歯にはよくないんですか?」と聞かれました。どう答えればよいでしょうか?砂糖の入っていない炭酸水も、歯に悪い?Q22酸味料が入っていなければ、歯への影響は小さいと考えられます。A22

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