チェアサイドQ&A 予防歯科編 PART1
6/6

105う蝕色素沈着口腔乾燥口臭・舌苔摂食障害シーラントフッ化物エックス線検査▼この答えの根拠となる文献はコレ!1. Oong EM, et al. The effect of dental sealants on bacteria levels in caries lesions:a review of the evidence. J Am Dent Assoc 2008;139(3):271-278. PMID 18310731 (シーラントがう蝕病巣の細菌レベルに及ぼす効果:エビデンスの総説) 著者らは、シーラント処置をした永久歯う蝕病巣における一定期間経過後の細菌レベルの変化について調べるために、電子データベースで検索し、6つの研究(ランダム化比較試験3つ、比較試験2つ、前後比較研究1つ)を選んで分析を行った。 まず、シーラント処置の一定期間経過後に細菌が増殖したという報告はなかった。また、4研究(総サンプル数:138)では、シーラント処置歯は、平均総生菌数がシーラント未処置歯の約100分の1になっていた。さらに、4研究(総サンプル数:117)では、一定期間経過後にシーラント処置歯で生菌が確認されたサンプルは約50%に減少していた。 以上の結果より、シーラントはう蝕病巣の細菌を減らすことが明らかになったが、低いレベルの細菌が残っていることを示す論文も存在した。シーラントによる介入はう蝕進行予防に高い効果を持つことが証明されたため、臨床家はう蝕を不注意にシールしているのではと懸念してシーラント処置を行うことに気乗りしない、ということがないようにするべきである。

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る