インプラント治療の説明書と同意書の作り方
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補綴治療(インプラント治療を含む)に関する説明書書類❶現状の問題点 インプラント治療の説明は、歯科医師が、業者(メーカー)が作成したリーフレットを用いたり、インプラント体が入った模型を用いたりして、もっぱら口頭で行うことが多いと思います。しかし、高額な自費診療という実入りのよい治療であることから、その説明には偏りや患者誘導が多く、インプラントを入れればすべての身体症状が改善する等の過大広告もしばしば見受けられます。 大事なことは、インプラント治療以外の方法として「ブリッジ」や「可撤性義歯」がある中でインプラント治療を選択する長所と短所を含めた理由です。他の治療方法と比較したうえで、これらについて十分に説明する必要があります。bydentistこの書類の必要性と重要度1 医療には「不可逆性」があります。いったん医療行為を受ければ、もはや「元通り」になることはありません。加えて治療に関しては、「何かをやること」は「何かをやらないこと」でもあります。適切な治療機会を逃せば、本来期待できた効果が得られないこともあります。 それゆえ、後日トラブルが生じるのを避けるためには、患者さんから「やらなければよかった」「別の方法にすればよかった」と言われないようにすることが必要です。それには、患者さんに対してこれから「実際にやること」だけを説明するだけでは、不十分です。2 どのような治療法も「万能」ではありません。そもそも適応にならない患者さんもいますし、期待される治療効果にも「限界」があります。「打ち出の小槌」は存在しないのです。 専門家であるからこそ「贔ひいき屓の引倒し」とならないよう、他の治療法にも十分な配慮をした、いわば「中立的」な説明が求められます。bylawyer5段階でみるこの書類の重要度43書類❶ 補綴治療(インプラント治療を含む)に関する説明書

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